- 家を買い替え(住み替え)てもっと広いところに住みたい
- 相続した不動産を売却したい
- 両親と一緒に住むことになったので実家を売却したい
- 親が介護施設に入ったから実家を売却したい
こんな悩みを解消します。
不動産を売却する動機はさまざまでしょうが、あなたが持っている一戸建てや土地、あるいはマンションを売ったり買ったりしようとするとき、いったいどのような準備をし、どのような点に注意をするべきなのでしょうか?
今回は不動産を売り出す前(不動産会社に売却を依頼する前)にぜひ知っておきたい4つのキホンを解説します。
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
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目次
不動産の「売主」としての心構え
まずはあなたが売主となる際の心構えについて考えてみましょう。
いま所有している家や土地は親から相続したもので、「不動産の売買契約をした経験がない」という人もいらっしゃるでしょうが、多くは新築物件または中古物件として購入し、過去に自分自身が買主だった経験があるはずです。
まずはそのときのことを思い出してみてください。
新築物件を不動産会社から購入したか、あるいは中古物件を不動産会社の仲介で個人から購入したかなどの違いはあるにしても、あなたが買主だったときには、売主に対して
- 誠実な売主であること
- 問題があれば責任を持ってくれる売主であること
などを求めたのではないでしょうか。
あなたが売主になるということは、今度は立場が入れ替わってあなた自身が誠実であること、責任があること、正直であること、さらには段取りが的確であること、取引が確実であることなどが求められるのです。
そのようなことは言われなくても当然だと感じるかもしれません。
しかし、家の不具合などの問題、隣地との敷地境界の問題、構造物などの越境の問題、擁壁の問題、隣人トラブル、家の中で起きた事件のことなど、本来であれば買主に対して告知しなければならないことについて、知らないふりで済ませようとする売主も少なからずいます。
不動産売買仲介をする不動産会社がそれに気がつけば、重要事項として買主に説明をするのですが、売主が言わないかぎり不動産会社が気付かないような問題も少なくありません。
家の購入希望者が現れ、そのまま契約をすれば数千万円が手に入る。でも、これを言ったら目の前の数千万円がゼロになってしまうかもしれない……。
そのように悩んで躊躇してしまう場面があるかもしれませんが、嘘をついて、あるいは大事なことを黙ったままで契約をすれば、すぐに発覚して大きなしっぺ返しを受けると考えたほうが良いでしょう。
問題の大きさによっては契約解除や違約金、損害賠償を求められることにもなりかねません。
不動産会社が売主の場合に比べれば、個人である売主の責任が大きく問われるケースは少ないとはいえ、古本や古着、中古車などを売るのとはまったく違います。
売ったお金が手元に残るか残らないか、利益があるか損失があるかといったことは別にして、数千万円の「商品」の売主としての自覚が求められるのです。
もちろん、何ら問題点のないクリアな物件なら、あまり深く考える必要もないのですが……。
参考:事例で学ぶ!不動産売却のトラブル【事故物件の告知義務編】
マイホームを売るのが先か、買うのが先か
単純に手持ちの不動産を売却するだけであればあまり問題になりませんが、マイホームを買い替えるときには、売却と購入のどちらを先にするのかという方針をあらかじめ決めておくべきです。
成り行きにまかせて結果的にうまくいく場合もありますが、どちらを先にするのかによって資金計画や段取りが大きく変わってきます。
売りと買いを同時にできればそれがベストでしょうが、なかなか希望どおりにはいかないことが多いものです。
専門的な問題も絡んできますから、不動産会社に相談をしながら決めたり、アドバイスを受けてから軌道修正したりしてもよいですが、少なくとも「どのような物件に買い替えたいのか」はご自身でよく考えておきましょう。
買い替えによって新たに購入を希望する物件が新築マンションなのか、建売住宅や建築条件付き土地なのか、土地を買って注文住宅を建てたいのか、あるいは中古マンションや中古一戸建て住宅を探すのか。
それによって、不動産の売却を依頼する不動産会社をどう選ぶのか、また売却と購入を同じ不動産会社に任せてよいのか、それとも別々の不動産会社に頼むべきかといった方向性が変わってきます。
不動産を売り出す前に権利関係をしっかりと再確認する
まずは自分の持っている不動産が売れるのか売れないのか、売れるとしたらいくらで売れるのかを不動産会社に相談してみなければ何も始まりませんが、その前に不動産の権利関係をきちんと確認しておきましょう。
不動産の権利証(登記済証)は手元にありますか?
2005年3月の不動産登記法改正により、その後にシステムが切り替えられた法務局で登記をした場合には、権利証に代わって「登記識別情報」が発行されています。
それ以前に不動産を購入して登記をした場合、または法改正後であっても登記時点において切り替えが済んでいなかった場合には権利証があるはずです。
もし実家に預けているなど、何らかの事情で権利証が手元にない場合には、あらかじめこれを取り寄せておかなければなりません。
不動産会社に売却を依頼する際、一般的には担当者が権利証を確認して、取引上の問題点がないかどうかを確認します。
不動産取引の決済(残代金の受け取りと物件の引き渡し)をするときには、この権利証を法務局へ提出することになります。
ただし、権利証ではなく「登記識別情報」の場合、これは一種の暗証番号のようなものですから、その中身を不動産会社へ見せる必要はありません。
「登記識別情報」の通知書が手元にあること、またはオンラインで本人が確認をできることがはっきり分かれば十分です。
権利証を紛失しているような場合には、これに代わる一定の手続きが必要となります。この手続き自体は買主が決まり売買契約が終わってからでも十分に間に合いますが、手続きの準備や段取りは早めにしておく必要があるため、権利証が見つからない旨をあらかじめ不動産業者へ伝えておいてください。
なお、取引の決済当日まで権利証の有無すら確認しない不動産会社もたまにいます。そのような不動産会社には売却の依頼をしないほうが無難ですが、そのことに気付いた時点ではすでに手遅れになることもあります。
不動産売却の依頼をするとき(媒介契約を結ぶとき)に、不動産会社が権利証のことを聞いてくるかどうかも会社選びに必要なことです。必ずチェックしてみましょう。
参考:不動産売却で必要な権利証ってなに?宅建士が4つのポイントで解説
離婚した後、あるいは相続をした後に不動産を売却するとき
離婚した夫婦の共有名義になったままの物件の場合には、売却についてその元夫や元妻の協力が得られるかどうかも事前にしっかりと確認しておくべきです。
売却への同意はもちろんですが、必要なときに連絡が取れることも欠かせません。
共有名義であれば、売買契約締結時の売主本人に対する委任状、所有権の移転登記を依頼する司法書士に対する委任状(印鑑証明書添付)なども、元夫や元妻に書いてもらわなければならないのです。
参考:不動産売却時のトラブル【離婚編】3つのポイントで事前に回避!
相続によって兄弟姉妹などとの共有名義になっている土地や建物の場合も同様です。自分が長男だから、長女だから、持分がいちばん大きいからなどといって、勝手に不動産売却の話を進めることはできません。
上記の離婚した元夫や元妻の場合を含め、共有者が取引の場に同席できない場合には、それが遠隔地であっても不動産売却を依頼する不動産会社の担当者(または依頼を受けた司法書士)が赴き、実際に面談するケースもあります。
また、共有者のうちのどなたかが一定の事由によって後見人を必要とするときも、その手続きに時間を要する場合があるので事前にしっかりと段取りをすることが大切です。
参考:【成年後見人による不動産売却】4つのポイントと3つの注意点
亡くなった親などから相続した不動産を売却する場合に、その相続登記が終わっていないことも時々あります。
まだ相続して間もないケースだけでなく、「数十年前に亡くなったおばあちゃん名義のまま」というようなケースもあるでしょう。
相続人がそこに住んでいても、その人の名義かどうかは第三者である不動産会社には判断ができないので、正当な所有者が確認できるまでは売り出すことすらできないことになります。
何年も前の相続に対する遺産分割協議書を作成しなければならないような場合には、さらに相続人のうちの誰かがその後に亡くなっているケースもあり、かなり複雑な手続きになることもあります。
複雑な事情がなくてもそれなりに時間はかかりますから、相続物件の売却の場合には原則として「売り出しは相続登記が終わってから」と考えるべきです。
不動産売却する前の解体や耐震診断、インスペクションなど
すでに誰も住んでない古家が残っている土地を売却する場合には、「中古一戸建て」として売るのか、それとも取り壊して更地にしてから売るのか、といった問題もあります。
物件の状況を客観的にみたり売りやすさを考えたりする必要もありますから、この判断は不動産業者に相談をしてからの方がよいでしょう。
さらに、売却する土地や建物について、あらかじめ測量をするべきか、地盤調査をするべきか、耐震診断をするべきか、アスベスト調査をするべきかなど、不動産を売る前にあれこれ悩むことがある場合は、不動産業者に相談をしてから判断することをおすすめします。
不動産売却でかかる税金の確認も忘れずに
不動産の売却には税金がつきものです。
3,000万円の特別控除が使えるマイホームの売却であれば、3,000万円までの利益に対しては税金がかからないのであまり心配する必要もありません。
また、買換えの特例を使えるのであれば、ひとまず課税の繰り延べができます。
しかし、それらの特例が使えない不動産を売却する場合、あるいは3,000万円を超える利益が生じるような不動産の売却などでは十分な注意が必要です。
数百万円、数千万円といった税金のために、売却後の資金繰りや買換えの計画が大きく狂うことにもなりかねません。
とくに親などが古くから所有していた土地や建物を相続してそれを売却する場合などは、課税される金額も大きくなりがちです。
たいていの不動産業者は税金についてそれなりの知識を持っているので、ある程度のアドバイスができるケースも多いですが、残念ながら「税金の専門家」ではないため、不動産業者の判断が常に正しいとはいえません。
参考:5分でわかる!3,000万円特別控除とは?【マイホーム売却編】
まずは不動産会社に相談:まとめ
不動産取引は、普通の商品の売り買いとは違い、法律や専門知識が必要です。税金に関しても、物件によっては複雑な場合もあるので、まずは不動産会社に相談してみましょう。
優良な不動産会社なら、優良な税理士や司法書士と提携しているので、さまざまな専門家も紹介してもらえます。
不動産会社選びで、家は数百万円「売値」が変わります。
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。
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