親が介護施設へ入所して空き家になった実家を売るための5つのポイント

親の介護

「親が介護施設に入所して実家が空き家になってしまった」
「親名義の空き家はどうやって売却すればいいの?」

 

こんな疑問にお答えします。

実家の不動産売却を考えるきっかけは、相続であったり誰も住まなくなって空き家になったりと様々ですが、特に現在の超高齢社会では、親の入院や介護施設への入所がきっかけで実家の売却を考える方もかなり増えています。

しかし、「売却したいこと」と「売却がスムーズに進むこと」は別物です。
親の介護施設への入所により、不動産会社に「空き家を処分したい」と依頼しても、状況によってはスムーズに実家を売却できない場合があります

今回は親の入院や介護施設の入所がきっかけで実家の売却を考えた方が、スムーズに売却を進めるために知っておきたいポイントを説明します。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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空き家になった実家の売却相談では3つの情報の確認を

親が介護施設や病院にいる場合、財産管理は子供または親族が行っていることが一般的です。日用品の買い出しくらいなら介護をしている側の子供が代わってできますが、不動産の売却となると「親の代わりにちょっと売ってくる」というレベルの話ではありません。

まずは下の3つの情報を確認し、不動産会社に状況を説明できるようにしておきましょう。

  1. 売却したい実家の名義は誰になっているか
  2. 実家の名義が介護施設や病院にいる親の場合、権利証などは残っているか
  3. 実家の名義が介護施設や病院にいる親の場合、成年後見人などがついているか

「空き家になっている実家を売却したい」という話でも、上記①から③の状況によって売却の進め方が変わってきます。
不動産会社に実家の売却について相談する前に、不動産会社に対して簡単でいいので説明できるようにしておくことが必要です。

「権利書が見つからない」「名義の確認の方法がわからない」という場合は、その旨を不動産会社にストレートにお話してください。

上記①から③がわからなかったら売却できないというわけではありませんので、安心してください。以下より具体的なポイントを解説していきます。

参考:不動産売却で必要な権利証ってなに?宅建士が4つのポイントで解説

親の介護により空き家になった実家!売却の5つのポイントとは

不動産売却のポイント

不動産会社に3つの情報を伝えたら、不動産売却のために何からスタートすればいいのか計画を立てることになります。
以下の5つのポイントに気をつけ時間のかかる手続きや優先順位の高い手続きから進めると、実家の売却をスムーズに進めることができます。

  1. 不動産の売却は名義人が手続きをする
  2. 介護されている親はなぜ病院や施設に入居したのかが重要
  3. 介護されている親に後見人はついているか
  4. 成年後見人が必要な場合は後見の申立てが最優先
  5. 成年後見人がいてもすぐに売却は難しい!家庭裁判所の許可が必要

順に解説していきます。

ポイント1:不動産の売却は名義人が手続きをする

実家の名義は介護されている親の場合がほとんどです。

子供が親の介護をしており、親の実印や通帳、不動産の権利書なども管理していたとします。この場合でも、子供は勝手に親名義の実家を売却することはできません。

繰り返しますが、不動産売却は介護されている親(名義人)が手続きすることが基本になります。

稀なケースですが、売却したい実家の名義が子供になっている場合、病院や施設に入居している親は基本的に手続きに関わりません。
なぜなら、実家であれ空き家であれ、不動産の売却は基本的にその不動産の名義人が手続きをすることになるからです。

親の介護費用を捻出するために実家を売却したいという事情があったとしても、名義が子供なら手続きを進めるのも子供です。

不動産会社に実家を売却したいと相談し、実家の査定や売却の計画を進めてもらうという流れになります。

ポイント2:介護されている親はなぜ病院や施設に入居したのかが重要

実家の名義が親になっている場合、入院・入所しているという事情があったとしても、実家の売却手続きは親が進めることになります。
だからこそ、親がどんな理由で施設や病院に入居しているかが重要なポイントになります。

親が、自分一人での生活ができないなどの理由で入所しており、判断能力や思考能力がはっきりしている場合(認知症などの診断を受けていない場合)は特に問題ありません。
司法書士や不動産屋が名義人である親と実家の売却について連絡を取り合いながら売却の計画を進めることができるからです。

しかし、認知症などによって病院や介護施設に入所している場合、すぐに実家の売却を進めることが難しくなります
なぜなら、認知症などの場合は、名義人である親本人が契約を含め法的な手続きをすることが難しいからです。

せっかく実家の買い手が見つかっても、名義人の状況によっては売買契約を結ぶことができず「売りたいのに売れない」「買いたいのに買えない」という状況になってしまいます。

親が実家の名義人になっている場合、認知症などを患っていないかどうかが重要ポイントになります。

ポイント3:介護されている親に後見人はついているか

では、親が認知症などで契約を結ぶことができないなら、子供が代わって売却を進めてしまえばいいと思うのではないでしょうか。
しかし、それは基本的にできません。

なぜなら、不動産をはじめとした財産をどう処分するかは名義人の権利だからです。親の介護をしている子供であっても、勝手に売却することはできません

親が病院や介護施設に入所していても、自分で契約を進めることができる状態なら特に問題ありません。しかし、認知症などによって親が自分で契約を結ぶことができない場合、実家の売却には時間がかかります。

親の実印や権利書を預かっている子供も実家を勝手に売却できない、本人も認知症などで売却できないとなれば、「誰が実家の売却手続きをするの?」と疑問が出てきます。

こんな時は裁判所に申立て、成年後見人などを選任してもらって手続きを進めることになります。成年後見人が決まったら、成年後見人の方から裁判所に対して「実家を売却したい」と相談することになります。

参考:【成年後見人による不動産売却】4つのポイントと3つの注意点

ポイント4:成年後見人が必要な場合は後見の申立てが最優先

実家の売却に後見人が必要な場合、実家の売買契約を結ぶ前に後見人を立てる必要があります。後見人が決まるまでは、おおよそ半年くらいの期間が必要になります。裁判所に申立て、すぐに後見人が決まるわけではありません。

認知症などの場合、後見人がいないと、実印があろうが権利書を子供がすぐに用意できようが、不動産の売却は進みません。

実家の名義が親であり、親が認知症などの場合で後見人がいない場合は、実家の買い手を見つけても「手続きが進みません」「成年後見人が決まるまで半年くらい待ってください」という話になってしまいます。
なので、買い手を見つける前に後見の手続きをスタートしておく方がスムーズに実家を売却できます。

親が病院や施設に入所している場合、どんな理由(認知症など)で病院や施設に入所しているのか、後見人がすでについているのか、いないのかによって手続きの優先順位が変わってきます。

以下は後見人になれる人です。

後見人になれる人
  • 親族
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 社会福祉士
  • 法人

ポイント5:成年後見人がいてもすぐに売却は難しい!家庭裁判所の許可が必要

裁判所に申立てをして成年後見人が決まっても、すぐに実家を売却することは基本的にできません。なぜなら、成年被後見人の名義になっている居住用の不動産を売却するためには、家庭裁判所に実家売却の相談をして、許可をもらうことが必要になるからです。

まとめると以下のようになります。

  • 認知症などを患う親は不動産売却の契約を結ぶことができない
  • 子供も、親の財産(名義)の実家を勝手に売却することができない
  • 成年後見人も勝手に実家を売却することはできない

成年後見人から裁判所に話を持って行ってもらい、裁判所に「売っていいですよ」という許可をもらって、そこからやっと不動産売却がスタートします。

ただし、注意しなければならないのは、「実家を売却したい」という話に対し必ず裁判所が許可を出してくれるわけではないという点です。

不動産会社、成年後見人、司法書士、親の介護をする子供が話し合い、実家を売却するためにはどの手続きからはじめたらいいのか、なぜ実家の売却が必要なのか、実家の売却はいつ頃までに行いたいのか、計画を練ることが重要になります。

実家が空き家になったら早めに不動産会社に相談:まとめ

親の入院や介護施設への入所後に空き家になった実家を売却することは、税金や管理の負担を減らす方法として有効です。介護費用を用意するためにも、実家の売却は有効な方法になります。

難しいのは、親が認知症などを患っているケース。すでに成年後見人がついていれば、成年後見人を通して裁判所に売却の相談をして許可をもらいます。成年後見人がいなければ、まずは後見人をつけるところからスタートになります。

実家の売却はスムーズに行いたいもの。時間のかかる手続きから優先的に始めて不動産売却について早めに不動産仲介会社に相談することがポイントになります。

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