売れにくい狭小住宅を高く売却するための7つのポイント

狭小住宅

「狭小住宅を高く売るコツはある?」
「狭小住宅を売却する際の注意点は?」

 

こんな疑問にお答えします。

一戸建ての購入を検討する層は、「庭付きの一戸建て」「2台分の駐車場」など、広い家を希望するケースが一般的です。

狭い家や利便性の高い家に住みたい場合、駅近のマンションなどを選べばよいので、狭小住宅はなかなか購入の候補に入りません。

そのため、市場で人気のない狭小住宅を売るときは、狭小住宅ならではの魅力をアピールすることが大切です。

今回は、狭小住宅をできるだけ高く売却するポイントと、狭小住宅の売却における注意点をお伝えします。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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狭小住宅の定義は広さや土地の形状に難のある住まいのこと

狭小住宅の定義は、一般的な住まいに比べて土地や建物が狭かったり、土地の形状に問題を抱えていたりする住まいのことです。

土地の面積が50平米を下回っている

狭小住宅に厳密な基準はありません。ただ、業界内では、土地の面積が15坪(50平米)より小さな住まいのことを狭小住宅と呼んでいます

国土交通省の調査によると、一戸建ての土地面積は、全国平均でも30~40坪(99~132平米)が一般的です。
土地としての広さが一般的な住宅用地の半分にも満たないと考えると、狭小住宅がどれくらい手狭なのかイメージできるでしょう。

一戸建てを選ぶ層の多くは、「広い家に住みたい」「条件の合う立地の家に住みたい」といった考えで一戸建てを選ぶので、多くの方が想像されている以上に家の狭さは大きなデメリットになります。

だからこそ、狭小住宅を売る場合は、売却プランの吟味が必要不可欠です。

変形地や不整形地に建てられた家

変形地や不整形地に建てられた住まいも、狭小住宅と呼ばれるケースがあります。

そもそも、どうして「小さな一戸建て」という特殊な住まいが生まれるのかというと、余っている狭い土地を有効活用するためです。

予算や土地の制限の関係上、土地を区切っていくとどうしても使い勝手の悪い狭いスペースや形の悪いスペースができてしまいます。

国土の狭い日本では、空き地を空き地のまま置いておくメリットがあまり多くありません。

一般的な住宅やビルなどを建築するのが難しい土地だからこそ、仕様をある程度柔軟に変更可能で、所有者さえ満足できればよい「一戸建て」を建てるケースが多いわけです。

狭小住宅を高く売却するポイントは立地のよさや隣地の購入など

狭小住宅と立地

狭小住宅を高く売却するためのポイントは、以下の7つです。

  • 狭小住宅は立地の特徴やよさを探してアピールする
  • 隣地が空いているなら買い取ってしまうのもひとつの手
  • 友人・知人・親類・隣地の所有者などに売却を持ちかける
  • 実績豊富な不動産会社に仲介を依頼する
  • 投資家や不動産の買取業者などに売却する
  • 狭小住宅に合ったリフォームプランを提案する
  • 建物を解体し更地にしてから売る

順に解説していきます。

狭小住宅は立地の特徴やよさを探してアピールする

狭小住宅は、一般的な広さや部屋数のある一戸建てに比べて使い勝手が悪いため、中古不動産市場であまり人気がありません。

ただ単に物件広告を打ち出すだけでは、相場または相場より安い金額での売却になってしまう可能性が高いです。

そのため、狭小住宅を手放すときは、「実際に住んでいたからこそ分かる土地のよさ」や「狭小住宅に住むメリット」といったアピールポイントを見つけましょう。

  • 最寄り駅まで徒歩でいける
  • 交通量が少なく事故のリスクが低い
  • ゴミの分別が楽
  • 治安がよい

など、暮らしの小さなストレスを解消できるよさがあると、狭小住宅を売り込みやすくなります。また、人気のあるエリアの狭小住宅なら、土地のブランドイメージを強調するのもおすすめです。

「住んでみたい街アンケート」や「満足度の高い街アンケート」など、第三者による評価を探して、宣伝内容を補強するとよいでしょう。

隣地が空いているなら買い取ってしまうのもひとつの手

狭小住宅の問題は、何といっても土地が狭いこと。隣地の所有者と交渉して土地を買い取ってしまえば、一般的な住宅と同じ条件で売ることができます。

ただし、隣地の買収は必ずしも成功するという保証がありません。隣地の所有者が「土地を売りたくない」という場合もありますし、そもそも家やビルなどが建っていて、買い取っても解体工事が必要になるケースもあります。

できれば、隣地が空き地になっている場合に検討するとよいでしょう。なお、たとえ顔見知りだったとしても、不動産の売買交渉を所有者同士で進めると、話がこじれてしまった場合に面倒です。

不動産会社に依頼することで話がスムーズに進みますし、知識不足や誤解によるすれ違いも防げるため、隣地の買取は不動産会社に相談しましょう。

参考:不動産売却を個人で行うメリット・デメリット【仲介してもらう方が安全】

友人・知人・親類・隣地の所有者などに売却を持ちかける

狭小住宅を高く売却するコツは、「ほしがっている人に売る」ことです。

隣地の所有者が「家を広げたい」「庭を大きくしたい」「子どもと敷地内別居するためのスペースがほしい」と考えていれば、相場より高めの金額でも狭小住宅を売却できるでしょう。

また、狭小住宅の魅力を知っている人や、住まい・立地を高く評価している友人・知人・親類に売るのもおすすめです。

物件のメリットやデメリットを理解している人に売却すれば、不動産売却トラブルに巻き込まれる確率も下がります。

実績豊富な不動産会社に仲介を依頼する

不動産会社に相談

狭小住宅のような高く売るのが難しい物件を売るときは、実績豊富な不動産会社に相談しましょう。

実は、不動産会社にはそれぞれの専門分野があるため、なかには特殊な物件の売却に強いところも存在します。

大手だから高く売ってくれる、地元の企業だから信頼できるというわけではないので、ネットや口コミを駆使して狭小住宅の取り扱い数が多い不動産会社を見つけましょう。

また、当然ながら不動産会社の営業マンは、人によって実力や性格が大きく異なります。

優秀で実績があっても、依頼主の意見を聞いてくれなかったり相談に乗ってくれなかったりする相手に売却を任せると、細かい部分でストレスを感じてしまうので、依頼前に一度は面談をして性格的な相性をチェックしましょう。

参考:【不動産会社の選び方】 信頼できる仲介会社を見分ける5つのポイント

投資家や不動産の買取業者などに売却する

住むという面では不人気な狭小住宅も、投資家や不動産会社から見ると魅力的な物件であるというケースは少なくありません。

立地やデザインがよいため賃貸物件として安定した需要を見込める、周辺の土地を買い上げて開発すれば高く転売できるといった物件なら、相場よりも高く売却可能です。

なお、投資家や不動産の買取業者は、マイホームを探している一般の層よりも資金があるため、強気の価格設定がしやすいというメリットもあります。

狭小住宅に合ったリフォームプランを提案する

新しくてきれいな築浅ならともかく、ある程度古くなった狭小住宅は、経年劣化も進んでいるため、購入後にリフォームやリノベーションを考える人も少なくありません。

しかし、狭小住宅は、建ぺい率を始めとした法律上の制限をぎりぎりでクリアできる設計になっていたり、限られたスペースを最大限に活用するため特殊な間取りになっていたりするため、リフォームしづらい物件も多いです。

どのリフォーム会社でも気軽に工事を請け負ってくれるわけではないので、「購入後にリフォームをするのが面倒だから」と購入を諦めてしまう層もいます。

そこでおすすめしたいのが、リフォームプランの用意です。

あらかじめ自宅に合わせたリフォームをしてくれるおすすめの業者を見つけておいたり、価格と間取りを設定したリフォーム案を用意したりして購入後の負担を減らしておけば、より多くの人へ物件を売り込めるようになるでしょう。

建物を解体し更地にしてから売る

狭小住宅の狭さを解消する方法のひとつが、建物を解体してしまうことです。

家を解体して更地にしてしまえば、狭小住宅ならではのデメリットを考えることなく、ただの土地として売却できるようになります。

空き地は、建物がある土地に比べて解体費用を考える必要がなく、自由に活用できる資産です。

更地にすることで、土地活用を考えている投資家や不動産会社、企業などにも売り込みやすくなるため、建物付き土地のまま売るよりも高く売却できる場合もあります。

狭小住宅を売却するときの注意点はリフォームしないこと

狭小住宅を売却するときは、お金をかけずに売却できるように売却プランを立てましょう。

むやみなリフォームをしない

一戸建ては、リフォームやリノベーションをすると新築同然に生まれ変わるため、売りやすくなります。しかし、すべての物件が、リフォームなどをすれば確実に売却できるわけではありません。

むしろ、リフォームを選んだ場合、狭小住宅のリフォーム費用を売却価格へ上乗せする必要が出てくるため、売れなくなってしまうリスクが高いです。

中古の不動産は、広さや立地によってある程度相場が決まってきます。地域の相場より高い物件はなかなか売れないので、売却のハードルをあげてしまう狭小住宅のリフォームは、可能な限り避けましょう。

参考:不動産売却前にリフォームを行うメリット・デメリット【高額リフォームは要注意】

住まいのデメリットをはっきりと伝えてから売る

狭小住宅は、広い家に比べると収納が足りなかったり、同じ場所を行き来する機会が多いため住宅の一部が劣化していたりする場合があります。

住まいのデメリットや問題点をごまかして売却すると、取引成立後にトラブルへ発展するリスクがあるので、暮らしている間に気づいた住まいのデメリットは、売却前に伝えておきましょう。

参考:不動産売却のトラブル【瑕疵担保(契約不適合責任)編】事例で回避!

狭小住宅のメリットとデメリットを知って高く売却しよう:まとめ

狭小住宅は、一般的な一戸建てに比べて立地がよく利便性が高いかわりに、狭くて住みづらい、リフォームの検討が大変といったデメリットを持っています。

そんな不動産を高く売るためには、「他の物件にはない魅力」をアピールすることが大切です。

狭小住宅の住人だからこそ分かるメリットを探したり、不動産会社に物件のメリットを見つけてもらったりして、売れにくい狭小住宅をできるだけ高く売却しましょう。

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査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。

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