マンション売却で壁紙を張り替える基準は?【基本:張り替え不要】

張替え作業

「マンション売却前に壁紙は張り替えたほうが良い?」
「どんな状態なら不動産売却前に壁紙の張り替えが不要なの?」

 

こんな疑問にお答えします。

結論、マンション売却では、ほとんどの場合壁紙を張り替える必要はありません。なぜなら、中古不動産を探している買い主の多くは、そもそも壁紙を重視していないからです。

ただし、売却予定のマンションによっては、壁紙を新しくしてから売却を始めたほうが、問い合わせを増やせたり内覧後に成約しやすくなったりする場合もあります。

重要なのは、不動産売却における壁紙の扱いを知って、自分のマンションを売るときにどうすれば良いのか判断できるようになることです。

そこで今回は、マンションの売却前に壁紙を張り替えるべきかどうかを判断する基準や、壁紙を張り替えるメリット・デメリット、そして基本的に壁紙の張り替えが不要な理由について解説します。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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ポイントは売り方!マンションの売却時に壁紙を張り替えるべき基準

内覧している男女

マンションの売却時に壁紙を張り替えたほうが良いのは、「壁紙の新しさが買い主に喜ばれるような売り方」をするケースです。

「築浅物件」や「高級住宅街のマンション」など、新しさや部屋のきれいさが評価につながる物件は、壁紙を張り替えてから売る価値があります。

1.築浅物件を売却する場合

もし、売却予定のマンションが築5年から10年程度の築浅物件だった場合、壁紙を張り替えてから売るのもおすすめです。

中古不動産の購入者は、物件の汚れや使用感があるものだと思っているので、壁紙の劣化を気にしません。
購入後に自分の好みの壁紙にリフォームしたい方も多くいます。

しかし、「新しさ」がひとつのアピールポイントになっている築浅のマンションは、購入者側も「新しくてきれいだろう」「そのままの状態で住める」というイメージありきで内覧をします。

人間は、「思っていたより良かった」ときの喜びより、「思っていたより良くなかった」ときの落胆を大きく感じてしまう傾向が強いです。

築浅なのに壁紙がきれいとはいえない状態だと、物件に対する印象が大幅に悪化し、成約につながりづらくなるため、新しさをマンションのウリにするならあえて壁紙を張り替えるのもおすすめです。

2.高級住宅街など地域のブランドイメージを重視した戦略を取る場合

有名な高級住宅街など、エリア自体にブランドイメージがある地域のマンションを売る場合も、壁紙の張り替えを検討しましょう。

高級住宅街や地価の高いエリアは、そもそもマンションの取引価格が高いです。

他の地域に目を向ければ同じ間取りでもっと安い物件があるにも関わらず、部屋の壁紙が汚れていると、「高いのに内装がきれいではない」という印象が残ってしまいます。高級住宅街の物件で高級感を損なうと、条件が良くても売れ残ってしまうでしょう。

また、高級住宅街の周辺や地価の高いエリアでマンションを探す人は、比較的金銭的な余裕を持っているケースが多いです。ある程度お金に余裕のある人をターゲットにする場合、「高くてもそのままの状態で住めるか」も購入を左右する要素になってきます。

壁紙の張り替えにお金をかけ、売出し価格が高くなったとしても、きれいでおしゃれな内装を準備したほうが成約の可能性は高いです。

3.汚れや傷等が激しい場合

  • 壁に大きな穴が空いている
  • ペットの爪とぎで部屋の壁紙がボロボロになっている
  • 子どもの落書きで壁が埋まっている

壁紙に重度の汚れがあったり、傷が付いていたりする場合は、壁紙を張り替えましょう。壁紙にも寿命があるため、何年も住んでいればある程度の劣化は避けられません。

しかし、あまりにも状態が悪いと、内覧時の印象が悪くなってしまいます。

壁紙を張り替えれば、汚れや傷、小さな穴も目立たなくなるので、壁の見た目が成約率に影響するほど良くない場合は、壁紙の張り替えを検討しましょう。

ただ、これも築15年未満のマンションに限ります。築15年以上の中古マンションを買う人は、一般的に購入後のリフォームを見越して検討しています。

4.雨漏りや水漏れの跡が残っている場合

戸建てに比べてマンションでは少ないケースですが、過去に雨漏りや水漏れ等が起きていて、壁紙に跡が残っている場合も、壁紙の張り替えをおすすめします。

雨漏りや水漏れは、住宅の重大な欠陥のひとつです。過去に対処して修理をしていたとしても、「過去に雨漏り等があった」という証拠が残っていると、買い主に不安を与えてしまいます。

壁紙が水に濡れてふやけたり、染みができていたりすると、水災のリスクから成約が遠のいてしまうので、基礎等に問題がなければ壁紙を新しいものに取り替えておきましょう。

ただ、過去に雨漏りがあった事実は絶対に隠してはいけません。これらいずれの場合においても、自分で判断せずに不動産仲介会社に相談しましょう。

参考:不動産売却時の「瑕疵担保責任」について3つのポイントで解説

壁紙の張り替えにかかる費用の目安は6畳の部屋で5~7万円程度

業者や使用する壁紙のグレードにもよりますが、6畳間の壁紙をすべて張り替える場合、一室あたり5~7万円かかります。

また、防水性を求められる水回りに関しては、狭くても5万円ほどかかるケースが多いです。

部屋が広くなると壁の面積も増えるため、壁紙の張り替え費用も高くなっていきますが、50㎡くらいの2LDKでも20万円以上かかります。

マンション売却前に壁紙を張り替える3つのメリット

空室

マンションの売却前に壁紙を張り替えるメリットは、大まかに分類すると以下の通りです。

  • 部屋全体がきれいに見える
  • 落ちづらい臭いを軽減できる
  • 買い主の信頼を得やすくなる

1.部屋全体がきれいに見えるため内覧の成約率が良くなる

壁紙を新しくすると、床や天井がある程度劣化していても、部屋全体がきれいに見えます。

部屋に入ったときの印象が良くなると、写真の見栄えも良いので問い合わせも増えますし、内覧後の成約率も高くなりやすいです。

部屋の印象を変えるという意味では、面積の広い床の張り替えも有効ですが、床の張り替えは壁紙の張り替えよりもコストがかさみます。

大掛かりなリフォームに比べて、低コストで部屋の印象を改善できるのが壁紙張り替えの強みです。

2.しつこいペット臭やタバコ臭を軽減できる

カーテンやソファ、クッション等の布製品や壁紙に染み付いた臭いは、拭き掃除をしたり換気をしたりしても中々落ちません。

しかし、壁紙を新しいものに取り替えてしまえば、壁紙に染み付いた臭いを軽減することができます。

3.買い主から信用してもらいやすくなる

多くの中古マンションは、売却前に壁紙を張り替えません。

そのため、壁紙を張り替えておくと、買い主に「細かい部分までメンテナンスしている売り主だ」という印象を与えることができます。

壁紙がきれいでも売却価格には影響しませんが、不動産売却は最終的に売り主と買い主双方の同意でまとまる取引です。

取引相手として信頼できると感じてもらえば、その分成約率も高まるでしょう。

マンション売却前に壁紙を張り替える3つのデメリット

費用

マンションの売却前に壁紙を張り替えるデメリットは、コストがかさむことです。

1.壁紙の張り替え費用を負担するとその分利益が減る

不動産売却では、売却価格から売却までにかかった費用を差し引いて、余りが出た場合に初めて黒字になります。

ただ、中古の不動産は、よほど立地等の良い物件でもない限り、買ったときより高く売れることはありません。

壁紙の張り替えは、数十万円ものお金が必要な工事です。

すべての不動産が壁紙の修理費用を上乗せしても売却できるわけではないので、工事費用を負担することで利益が減るリスクも理解しておきましょう。

2.新しい壁紙とそれ以外の部分の差が目立ってしまう

例えば、「部屋の一面だけ壁紙が汚れているので張り替える」といった修理をすると、新しい壁紙と古い壁紙の差が目立ってしまいます。

どれだけ高級な壁紙でも、長年使っていれば経年劣化しますし、同じ壁紙が廃盤になっていて入手できない場合もあるので、一部分だけの修理はあまりおすすめできません。

3.自力でリフォームをしたい人に興味を持ってもらいづらくなる

内装の印象をきれいにできる壁紙の張り替えですが、「壁紙を新しくする」ことを喜んでくれない買い主も中には存在します。

具体的には、「壁紙なんて気にしないから安い物件がほしい」「自分の好みでリフォームするから現状渡しが良い」と考えている層です。

安易に壁紙を張り替えると、こうした層のニーズを逃してしまいます。不動産売却において、購入希望者を狭めてしまうことにメリットはありません。

より多くの人、さまざまな属性の人に物件をアピールできるほうが、買い主を見つけやすいです。

また、複数の買い主から興味を持ってもらえれば、売り急いだり値下げをしたりする必要もありません。

参考:不動産売却前にリフォームを行うメリット・デメリット【高額リフォームは要注意】

マンション売却で壁紙の張り替えが不要な理由は売却価格に影響しないから

マンション売却で、壁紙の張り替えをせずに売却すべき理由は、多くの買い主は壁紙の新しさよりも価格や立地の良さを見て物件の購入を判断するからです。

経年劣化の範囲に収まるレベルであれば、多少壁紙が汚れていたり、日焼けしていたりしても、不動産の売却価格はさほど変わりません。

せっかく手間をかけて壁紙を新しくしても、取引の成立につながらなければお金をムダにしてしまうだけです。

「安いから買う」「立地が良いから買う」「間取りが好みだから買う」という人はいても、「壁紙が気に入ったから買う」人は少ないので、マンションは壁紙を張り替えずに売却するのがおすすめです。

壁紙張り替えの要・不要を適切に判断してマンション売却を成功させよう:まとめ

マンションを売却するなら、壁紙を張り替えずに売却手続きを進めましょう。

中古マンション市場で買い主に求められているのは、おもに不動産の立地や価格のやすさです。

残念なことに、「壁紙が新しくてきれいだから」という理由で、物件の購入を決めたり相場より高い物件を購入したりすることはありません。

ただ、新しさを売りにした築浅物件や高級住宅街の物件、ひどく壁紙が損傷しているものなど、中には壁紙を張り替えたほうが良いマンションもあります。

売却予定のマンションによって、売却戦略やメンテナンスの要不要が変わってくるので、どうすれば良いのか迷ったときは、不動産会社からアドバイスをもらって壁紙を張り替えるべきかどうかを決めましょう。

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