土地売却にかかる費用全7種類を宅建士がまとめて解説

土地にかかるお金

「土地を売却するときの費用が知りたい」
「土地売却で税金の他にかかる経費って何?」

 

こんなお悩みを解決します。

土地売却にかかる費用がわからないまま取引を進めると、予想以上の出費で「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔するかもしれません。

土地などの不動産は、

・売るときに大きな金額になりやすい
・意外と税金や費用がかかる

という2つの特徴を持っています。なかには計算しにくいものもあり個人では見積もりが出しづらいのです。

今回は、土地の売却にかかる費用や方法についてわかりやすさを重視して解説します。
不動産を売却したら、翌年の確定申告の際にも必要になってくる譲渡費用(経費)の計算にも役立ちます

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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土地売却にかかる費用全7種類

土地の売却にかかる費用は税金、諸費用の2種類に分けられます。

それぞれの名称は以下のとおりです。

税金諸費用
譲渡所得税(所得税+住民税)測量費
印紙税不動産業者への仲介手数料
消費税抵当権抹消費
建物解体費

諸費用に関しては、土地の状況によって費用に計上するものとしないものに分かれます。

一方、税金は土地を売るときに誰でも必ずかかるため、見積もりを自分で立てたい人は計算方法などを知っておくことが重要です。

土地売却にかかる費用と計算方法【譲渡所得税】

譲渡所得

譲渡所得税とは、土地の売却で手に入れた「譲渡所得」にかかる所得税率と住民税率、復興特別所得税率のことです。

これらは土地を売却した翌年に確定申告や住民税納付書と一緒に納付します。土地を売却した翌年にかかる税金のため、金額をあらかじめ把握しその金額分を貯金しておくのがおすすめです。

まずは譲渡所得の計算方法と譲渡所得税の税率をみてみましょう。

譲渡所得を計上するには、以下3つ費用が必要です。

  • 譲渡対価(売却したときの金額)
  • 取得費(土地を買ったときの金額。わからなければ譲渡対価の5%を取得費として計算)
  • 譲渡費用(土地を売るのにかかった費用)

これらがわかった状態で計算をします。

譲渡所得=譲渡対価-(取得費+譲渡費用)

参考:国税庁:譲渡費用となるもの

ここで得た譲渡所得に以下に示す所得税率、住民税率、復興特別所得税率の合計を掛け合わせます。

税率短期譲渡長期譲渡
所得税30%15%
住民税9%5%
復興特別所得税0.63%0.315%
合計39.63%20.315%

短期譲渡と長期譲渡は、土地を買った日から売った日の属する年の1月1日までにどれくらい期間が経っているかによって決まります。期間が5年以内であれば短期譲渡となり、6年以上は長期譲渡に分けられるのです。

土地を取得した日は売買契約日もしくは引渡し日(登記した日)のどちらかですが、どちらにするかは納税者の選択に任せられています。

参考:不動産売却は短期譲渡・長期譲渡のどちらがお得?3つのポイントで徹底比較

譲渡所得税の計算例

所有期間が7年、譲渡対価5,400万円、取得費は不明、譲渡費用に150万円かかった土地を売却するとして、譲渡所得税を計算してみましょう。

取得費が不明なので、譲渡対価に5%をかけた額で計算します。

すると譲渡所得は、以下のように求められます。

5,400万−(5,000万円×5%+150万円)=5,000万円

所有期間は7年のため長期譲渡と判断し、譲渡所得に長期譲渡の合計を掛け合わせます。

譲渡所得税=5,000万円×20.315%=1,015万7,500円

さらにある一定の条件を満たした場合は、以下の土地売却に対して譲渡所得額を一部控除(差し引き)してくれます。

  • 収用等(公共事業目的)により土地建物を譲渡した場合:5,000万円
  • マイホーム(土地含む)を譲渡した場合:3,000万円
  • 特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合:2,000万円
  • 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合:1,500万円
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合:1,000万円
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合:800万円
  • 低未利用土地等を譲渡した場合

参考:国税庁:譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

土地売却にかかる費用と計算方法【印紙税】

印紙税とは、土地の売買契約書に貼り付ける収入印紙にかかる税金のことです。運転免許証を持っている人は、免許の更新の際に購入したことがあると思います。

印紙税は郵便局や法務局、コンビニエンスストアで買えますが、高額な収入印紙はコンビニで取り扱っていない場合があるため、法務局で購入するのがおすすめです。売買契約書に記載されている金額と以下の表を参考にどれくらいかかるのか確認しておきましょう。

【令和6年3月31日までに作成された売買契約書の印紙税額】

契約金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上50万円以下200円
50万円超え100万円以下500円
100万円超え500万円以下1,000円
500万円超え1,000万円以下5,000円
1,000万円超え5,000万円以下1万円
5,000万円超え1億円以下3万円
1億円超え5億円以下6万円
5億円超え10億円以下16万円
10億円超え50億円以下32万円
50億円超え48万円
契約金額に記載なし200円

参考:不動産売却でかかる印紙税とは?納付方法や軽減税率などの基礎知識

土地売却にかかる費用と計算方法【消費税】

土地そのものに消費税はかかりませんが、諸費用には消費税がかかります。

詳細は以下の記事でご確認ください。

不動産売却の諸費用にかかる消費税に関する詳しい記事はコチラから

>>賢く売って消費税を回避!不動産売却で消費税が課税される6つの項目

土地売却にかかる費用と計算方法【不動産業者の仲介手数料】

仲介業者

土地を売却するときは、不動産業者に仲介してもらうことが一般的です。仲介手数料を払うことで、土地の売却に関する様々な手続きを行なってくれるので仲介を依頼することをおすすめします。

仲介手数料は国土交通省が定めたものに基づいて計上されるため。上限より高くなることはありません。

土地の売却価格区分仲介手数料(上限)
400万円以下18万円 ※2018年1月より法改正されました。
(売り主側のみ)
400万円を超える額売却金額の3%

仲介手数料の計算方式は、土地の売却価格をそれぞれの売却価格区分に当てはめてた後に合計します。350万円、800万円で土地を売却した場合の計算方法は次のとおりです。

【350万円で土地を売却した場合の仲介手数料】
400万円以下の金額:18万円
仲介手数料:18万円×税率(10%)=19万8,000円

【800万円で土地を売却した場合の仲介手数料】

400万円以下の金額:18万円
400万円以上の金額:400万円×3%=12万円
仲介手数料は:(18万円+12万円)×税率(10%)=33万円

売買価格が400万円を超える場合は上の表をまとめて下記の計算方法で一律求めることができます。

仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税

参考:不動産売却で仲介手数料っていくらかかるの?失敗しないための基礎知識

土地売却にかかる費用と計算方法【抵当権抹消登記費用】

抵当権抹消登記費用とは、住宅ローンが残った状態で土地を売却する人にかかる費用です。

抵当権とは、ローンの支払いができなくなったときに金融機関がその土地や不動産を担保として、差し押さえられる権利のことを指します。つまり土地を売るときはいったんその抵当権を抹消した状態で買い手に譲渡する必要があるのです。

かかる費用は登録免許税・司法書士報酬に分けられます。登録免許税は一筆1,000円、司法書士報酬は謄本等の取得費用にもよりますが、10,000~20,000円が相場です。
自分で手続きすることもできますが、内容がかなり複雑なので一緒に司法書士に依頼することをおすすめします。

参考:国税庁:登録免許税の税額表

土地売却にかかる費用と計算方法【測量費】

測量

自身が所有している土地の境が不明な場合、正確な土地の売却額が算出できないため、専門機関依頼をして土地の測量を行なってもらう必要があります。そのときにかかるのが測量費です。

以下にあてはまる土地は、近隣トラブルや買い手とのトラブルを避けるためにも測量を依頼した方がよいでしょう。

  • 土地の境界杭が見当たらない
  • 土地の境界にフェンスや堀がない
  • 土地の地価が高い

参考:事例を知って事前に回避!不動産売却時のトラブル【越境編】

測量にかかる費用は一般的な土地(100~200㎡)の相場で35~45万円です。
通常、土地境界測量は不動産仲介会社が依頼しますが、知り合いに土地家屋調査士がいる人はそちらに依頼してもいいかもしれません。
ただし、以下の場合は金額が上がる可能性があるため相場よりも多めに予算を組んでおくことをおすすめします。

  • 市有地や国有地に面している(官民の立ち会いが必要になるため)
  • 土地の形が複雑
  • 土地測量に関する印鑑証明書の取得が必要な土地
  • 200坪以上ある広い面積の土地

参考:土地売却における「測量」の必要性や流れ・費用について徹底解説

土地売却にかかる費用と計算方法【建物解体費】

土地だけを売るときは、土地内に建てられた建築物を解体処分する必要があります。この場合、一般的に解体費用は売り手が持つため、建物が立っている土地のみを売るときは注意しましょう。

費用は建物によって開きがあるため、解体事業者に見積もりを取ってもらうことをおすすめします。

参考:長年住んでいない家はそのまま売却するべき?それとも解体して更地にするべき?

土地売却の費用は不動産会社に見積もりを立ててもらおう:まとめ

土地売却にかかる費用は意外に多く、すべてを1人で行うのは難しいでしょう。

土地の売却で困らないようにするためには、不動産仲介業者などのプロに依頼するのが一番です。正確な見積もりなどを出してもらい、土地売却で損をしないようにしましょう。

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