「不動産売却の入札方式ってなに?」
「不動産売却で使える入札方式のメリット・デメリットが知りたい」
こんな要望にお応えします。 「不動産売却」と聞くと、不動産会社に売却を依頼し、売主と一人の買主との間で売買契約を結ぶ相対方式が一般的なイメージかもしれません。
しかし、実は複数の買主候補者から最も高い金額を提示した人に売却する「入札方式」という方法もあるのです。特に高額物件や希少性の高い物件の場合、入札方式を活用することで、より良い条件での売却を実現できる可能性があります。
入札方式は、売主にとって魅力的な選択肢となる可能性があるため、不動産売却を検討されている方は、この方式についてよく理解しておくことをおすすめします。
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不動産売却の入札方式とは?
不動産売却における入札方式は、一般的には自治体や企業間での取引や、裁判所による競売、行政が差し押さえた不動産などで行われています。
先述したように、入札方式とは、一つの物件に対して複数の購入希望者がおり、最も高い金額での購入を申し出た希望者が購入できるというオークション形式です。
近年、個人の所有する物件でもこの入札方式が活用されることが増えており、注目されています。
不動産売却の相対方式と入札方式の違い
それでは、不動産売却の相対方式と入札方式とではどのような違いがあるのでしょうか。
一つ目は、売却価格の決め方の違いです。
相対方式は一般的な不動産売買で行われる取引の方法で、一つの物件に一人の買主が決められ不動産会社の仲介のもと、売主と買主の間で契約が行われます。
金額は売り出し時には決まっており、多少の金額交渉はあるもののその提示されている金額で購入する人が買主となります。希望価格で売却が可能ですが、希望価格を上回る金額での売却は難しいでしょう。
あまりにも高い価格を設定してしまうと、買主が見つからない可能性もあります。また、希望価格から値引き交渉をされることもあります。結果的には、希望価格が一番高値になることがほとんどです。
入札方式は、売主の希望価格から始まります。複数の購入希望者が入札する中で、一番の高値を付けた人が落札できます。そのため購入希望者が多いほど高値が付く可能性が高くなります。
高すぎる希望価格だと購入希望者が集まらないこともありますが、一方であまりにも低い価格設定をしてしまうと、その低い価格水準のままで入札が多くされてしまいます。
希望していた金額にはほど遠い結果となってしまうこともありえるため、希望価格の設定は慎重にするべきでしょう。
もう一つは、買主の決定の仕方です。
相対方式は先着順です。最初に購入を名乗り出た人に交渉権があり、希望価格で交渉がまとまればその人で決まります。価格や条件が折り合わない場合は、次の二番手の購入希望者が交渉権を得ます。
入札方式は「競り上がり方式」と「ポスティング方式」があります。競り上がり方式は、インターネットオークションと同じ形式で、入札価格が高値を更新する毎に、価格が競り上がっていくしくみです。同じ入札参加者が何回でも入札できます。
ポスティング方式は、売主の売却希望価格を参考に、入札参加者が一回のみ入札できるしくみです。どちらの形式も一番の高値を付けた入札参加者が落札できます。
とはいえ、実際落札者を決定する時は、入札価格だけではなく、購入する目的や条件なども加味することがほとんどです。
また、売主の売却希望価格を下回る金額でしか入札されなかった場合は、その中でも一番の高値を付けた入札希望者と契約するかは、売主の判断によります。
参考:不動産売却における売り出し価格の決め方とは?【査定価格と成約価格の違いも解説】
不動産売却の入札方式の種類
不動産売却の入札方式にはいくつか種類がありますが、代表的なものが「一般競争入札」と「指名競争入札」の二つです。
一般競争入札
一般競争入札とは、参加資格を予め告示し、不特定多数の入札参加者を集める方法です。その中で、最も良い条件を提示した人が落札し、売買契約を締結することができます。
参加資格が明示されているため、入札参加者の公平性が保たれている点がメリットです。入札方式の中でも最も一般的な方法で、不動産売買の取引に適しています。
指名競争入札
指名競争入札とは、予め決められている参加資格を満たした人だけが参加できる入札方法です。
その中で、最も良い条件を提示した人が落札できる点は一般競争入札と同じですが、参加できる条件があり、入札に参加できる人を予め絞ってある点が異なります。
不動産売却の入札方式が向いている物件
不動産売買は、一般的に相対方式が多く利用されていることでも分かるとおり、入札方式はどんな物件にも利用できるものはありません。
それでは、入札方式はどんな物件に適しているのでしょうか。
入札方式は、多くの購入希望者が集まる見込みのある物件に適しています。一つは、投資を目的とした収益が見込める、投資用マンション、立地の良い商業施設などです。
もう一つは、建物のない広大な更地で、ショッピングモールの建設やリゾート地になりそうな物件です。投資家や地方自治体、企業などが入札に参加する可能性がある物件であれば適していると言えるでしょう。
不動産売却の入札方式のメリット・デメリット
入札方式にもメリットとデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
入札方式のメリット
高価格での売却の可能性がある
入札方式で売却する最大のメリットは、やはり希望価格より高く売却できる可能性があることです。
特に競り上がり方式での入札は入札参加者同士で入札価格を見ることができることと、何度でも入札できることで価格が競り上がることも多く、希望価格以上で落札されることも少なくありません。
売買契約が成立する可能性大
入札方式での売買は、買主が個人ではなく法人であるケースが多いです。
個人の買主は、住宅ローンの審査が通らず、売買契約が白紙になってしまったということもありますが、法人相手であればその心配はないでしょう。
短期間で売却の可能性
入札方式での売買は、一度に沢山の購入希望者を募ることができるので、短期間で効率よく売却出来る可能性が高いです。
相対方式での売買は、買主のローンの審査が通らなかったり、交渉が上手くいかずに契約不成立になったりすると、また一からやり直しになります。
その点を比べると、入札方式は短期間で売却できる可能性は高くなるでしょう。
入札方式のデメリット
入札方式は、多くの入札参加者が競り合うことで入札価格が上がり、結果高値で売却できるということを先でご説明しました。
裏を返せば、入札参加者が集まらないと売却希望価格以下で落札される可能性があるということです。また、入札期間内に入札希望者がいなければ、当然売却はできません。
入札方式では、売却希望価格の設定がとても重要です。希望価格が相場より高過ぎると入札参加者が集まりにくくなり、安くしすぎると、利益がでなかったりするリスクもあります。
このようなデメリットも頭に入れておきましょう。
入札方式で不動産売却をする時の流れ
入札方式で不動産売却をする時は以下の流れで行います。
①査定などを通して相場を確認
複数の不動産会社に査定を依頼したりネットの不動産一括査定を利用して相場を確認しましょう。
参考:不動産売却は相場を知ることから始めよう!宅建士が4つの調べ方を解説
②入札を依頼する不動産仲介会社を決める
査定依頼した複数の不動産会社の中から一番信頼できる会社を選びましょう。この不動産会社の選定は今後の不動産売却活動の中でも非常に重要です。
参考:【不動産会社の選び方】 信頼できる仲介会社を見分ける5つのポイント
③不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産売却の際の条件はしっかり確認しておきましょう。
参考:不動産媒介契約とは?3つの種類と違いについて【おすすめは一般媒介】
④入札方針の確認・入札の実施
希望価格の決定や譲れない条件などを確認したら、入札参加者を募集し入札を実施します。
⑤落札者と契約締結・入金・引渡し
落札者と不動産売買契約を締結後、物件の売買金額を受け取り引き渡しをして完了です。
参考:不動産売却時の決済方法や所要時間・必要書類を宅建士が徹底解説!
入札方式での不動産売却は、相対方式とは異なる点も多いです。スムーズな売却のため流れをよく確認しておきましょう。
優良な不動産会社を選んで入札方式で不動産を高く売ろう:まとめ
入札方式での不動産売却は個人が利用することも可能です。
ご説明したとおり、個人が買主になることがまれである、投資用のマンションや広大な土地などは入札方式を利用するのも良い方法です。
入札方式の不動産売却は、不動産会社選びがとても重要です。
インターネットの一括査定サイト等を利用し、入札方式での不動産売却の実績があり、なおかつ信頼のおける不動産会社と媒介契約を結ぶことが大切です。
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