「築45年を超える旧耐震のマンション、本当に買い手が見つかるのだろうか?」
「結局、二束三文で買い叩かれてしまうのではないか?」
旧耐震基準(1981年5月以前の建築確認)のマンションを所有している方の多くが、このような不安を抱えています。
確かに、新耐震基準の物件に比べれば、住宅ローン控除の適用外になりやすいなどのハンデは存在します。
しかし、結論から言えば、旧耐震マンションは「戦略」次第で十分に、かつ納得のいく価格で売却可能です。
本記事では、不動産売却のプロの視点から、旧耐震マンションが直面する壁の正体と、それを突破して好条件で売却するための具体的なメソッドを詳しく解説します。
目次
なぜ「旧耐震マンション」は敬遠されるのか?(3つの壁)
まずは、買い手が二の足を踏む「心理的・経済的ハードル」を正しく把握しましょう。敵を知らねば対策は立てられません。
① 住宅ローン審査の厳しさと「控除」の対象外
最大の壁は「お金」です。多くの金融機関は、法定耐用年数(RC造で47年)に基づき、借入期間を「47年 - 築年数」で計算します。
また、旧耐震物件は「耐震適合証明書」がない限り、住宅ローン控除が受けられません。買い手にとって「月々の支払額」が増えることは大きなデメリットです。
② 耐震性への不安(大地震への懸念)
「もし大地震が来たら倒壊するのでは?」という根源的な恐怖です。特に近年、地震リスクへの意識が高まっているため、根拠のない「大丈夫です」は通用しません。
③ 維持管理・修繕積立金の懸念
築年数が経過しているため、「配管の老朽化」や「修繕積立金の不足・高騰」を警戒されます。
逆風だけではない!2026年現在の「追い風」要素
実は、今の不動産市場には旧耐震物件にとってポジティブな要因も存在します。
「立地」の希少性
旧耐震の物件は、今では許可が下りないような「駅前の一等地」や「都心の一等地」に建っていることが多いです。立地重視の層には、旧耐震は魅力的な選択肢になります。
リノベーション需要の定着
「箱(構造)は古くても、中身を自分好みに変えればいい」という価値観が若年層を中心に定着しました。
新築価格の高騰
建築資材と人件費の高騰により、新築マンションは一般層の手が届かない価格になっています。その結果、「中古×リノベ」市場へユーザーが流入しています。
旧耐震マンションを高く売るための「3つの必勝戦略」
推奨する具体的かつ実践的な売却戦略は以下の3点です。
戦略①: 「耐震補強」の実施状況を徹底的にアピールする
もし管理組合が「耐震診断」を実施済みであったり、「耐震補強工事」を完了させていたりする場合は、最強の武器になります。
耐震基準適合証明書が取得できる物件であれば、買い手は住宅ローン控除を受けられます。これは数百万円単位のメリットになるため、査定価格に直結します。
工事未実施でも、「修繕履歴」がしっかり保管されており、適切にメンテナンスされていることを証明できれば、買い手の不安を大幅に軽減できます。
戦略②: ターゲットを「現金買い層」や「投資家」に絞る
住宅ローンの影響を受けない層を狙い撃ちにします。
シニア層の住み替え
「便利な都心に住みたい」という富裕層のシニアは、現金で購入することが多く、耐震性よりも利便性を重視します。
賃貸経営(投資家)
利回りが確保できれば、投資家にとって築年数は二の次です。
戦略③:「インスペクション(建物状況調査)」を売主主導で行う
旧耐震だからこそ、あえて売主側で費用を負担してインスペクションを実施しましょう。
「古いけれど、構造躯体に問題はない」「配管は更新済み」という第三者の専門家によるお墨付きがあるだけで、検討者の安心感は劇的に高まり、値引き交渉の抑止力にもなります。
買取業者への売却という選択肢
「仲介で3ヶ月以上苦戦している」「早く手放して現金化したい」という場合は、**「買取」**も有力な選択肢です。
旧耐震物件を専門に扱う買取業者は、独自の再販ノウハウ(リノベーション技術)を持っているため、一般個人には売りにくい物件でも買い取ってくれます。
メリット
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が免除されることが多く、売却後のトラブルを防げます。
ポイント
必ず複数の買取業者に査定を依頼し、比較すること。業者によって「旧耐震への評価」は驚くほど異なります。
参考:不動産売却の選択肢「業者買取」とは?【早期売却にはうってつけ】
旧耐震は「管理」と「誠実な情報開示」で売る:まとめ
旧耐震マンション売却の成否は、「マイナス要素をどうカバーし、立地などのプラス要素をどう最大化するか」にかかっています。
「古いから売れない」と諦める前に、まずはご自身のマンションが「住宅ローン控除を使える状態か」「修繕履歴はどうなっているか」を確認してください。

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