不動産売却時の決済方法や所要時間・必要書類を宅建士が徹底解説!

不動産売却

「不動産売却時の決済方法について知りたい」
「不動産売却の決済に必要な書類は?」

 

こんな要望にお応えします。

不動産売却をトラブルなく終わらせるためには、代金の決済と物件の引き渡しを並行して進める必要があります。

決済と不動産引き渡しのタイミングがずれると、代金をもらっていないのに不動産を他人に売却されるといったトラブルになる可能性もあるからです。

今回は、不動産売却の決済について詳しく解説します。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)

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不動産売却時の決済手段は現金・銀行振込・預金小切手の3種類!

現金

不動産売却の決済手段は、以下の3種類です。

  • 現金払い
  • 銀行振込による決済
  • 預金小切手による支払い

基本的には、安全性が高く金額のチェックも確実に行える銀行振込による決済が一般的ですが、物件や買い主の事情によっては現金や小切手による決済を求められる場合もあります。

物件の売り主として、相手から持ちかけられた決済手段の内容や注意点を知らないと、思わぬトラブルに発展してしまう場合もあるため、まずは不動産売却時のおもな決済方法について見ていきましょう。

不動産売却時は原則引き渡し日の当日に決済をする

不動産売却をする際、覚えておきたいのが決済の適切なタイミングです。不動産売却の決済は、当然売り主より買い主のほうがより多くの準備をする必要があります。
そのため、売り主は待っているだけでよいと考えている人も少なくありません。

しかし、不動産売却では物件の引き渡し日に代金の決済から鍵の引き渡しまで、すべての手続きを進めます。

売り主側の準備が整っていないとスムーズに代金の決済を受けられないので、売り主も最低限の知識を覚えておきましょう

最短で決済できるがリスクもある!現金払い

不動産売却における決済手段のなかで、もっともシンプルな方法が現金払いです。

売買契約書で決めておいた物件の引き渡し日に集まり、代金を全額現金で受け取ります。ただし、不動産売却は非常に多くのお金を動かす取引です。

不動産は安いものでも数百万円はするため、安易に買い主へ現金を持ってきてもらうよう求めるのはおすすめできません。

現金支払いだと、受け取った現金が確実にそろっているかをチェックする時間や手間もかかります。銀行のスペースを借りて当日現金決済をするというシチュエーションもありえますが、それなら銀行振込で決済をしたほうがお互いに安心できるでしょう。

現金決済のメリットは、金額の確認さえできれば物件の権利証とお金を交換するだけなので、短時間で決済を終えられる点です。

安全性が高いものの多少時間がかかってしまう銀行振込

不動産売却において、もっとも多く利用されている決済手段が銀行振込です。

振込手数料はかかりますが、口座から口座へお金を移すだけなら、強盗などの犯罪被害に巻き込まれるリスクもありません。

1円単位で確実にお金を受け渡しできるうえに、売り主が納税している税金の精算なども振込額で調整できます。

そんな銀行振込のデメリットは、振込手続きに多少の時間がかかることです。不動産取引は高額なので、振込を依頼して実際に入金されるまでに30分から1時間ほどかかる場合もあります。

私の経験上、着金確認に最長3時間かかったことがあります。
金融機関によっては月末などの繁忙期は普段より時間がかかる場合があるので、事前に確認しましょう。
尚、振込手数料は不動産仲介会社の経費として処理してもらえる場合もあります。

なお、銀行の営業は、平日の午前中から午後にかけての短い時間なので、売り主・買い主双方のスケジュール調整が必要不可欠です。

銀行振込だと、「仕事のない土日に短時間で決済を終わらせたい」といった要望には応えてもらえません。手続きのミスなどで時間に遅れが出る可能性もあるため、引き渡しの準備は早めに始めましょう。

レアケースだが知っていると便利な預金小切手

場合によっては、買い主から預金小切手という方法での決済を求められる場合もあります。

預金小切手とは、いわゆる小切手払いのことです。

買い主から預金小切手をもらい、額面が書かれている小切手を銀行へ持っていけば、好きなタイミングで小切手を現金化することができます。

ただし、銀行振込のように瞬時に現金化できるわけではありません。後日指定の銀行へ足を運ぶ必要もありますし、小切手の現金化には数日程度の時間が必要です。

仮に買い主から預金小切手払いを求められても、戸惑うことなく対応できるように、最低限の知識を持っておきましょう。

特に、買い主が法人の場合は小切手での決済は稀にあります。

立会人の存在や決済のタイミングなど!不動産売却の決済における注意点

登記申請書

不動産売却の決済を受ける際の注意点は、主に以下の3つです。

  • ローンが残っている場合はローンの完済と抵当権の抹消が必要
  • 売主は基本的に決済場所を選べない
  • 当日は仲介手数料などの支払いが必要

売却不動産にローンが残っている場合はローン完済の手続きが必要

ローン未完済の物件を売却する場合は、売却時にローンを完済してから引き渡します。

ローンが残っている物件には、金融機関による「抵当権」という差し押さえの権利がついており、抵当権を解除するためにはローンの完済が必要不可欠です。

ローンを組んだ金融機関や、登記手続きを代行してもらう司法書士などに協力してもらって、ローンを完済するための準備を整えておきましょう。

参考:住宅ローンが残っていても不動産は売却できる?確認すべき3つのポイント

決済を行う場所は基本的に買い主の意向が優先される

不動産売却時の決済を行う場所は、基本的に買い主側が決定します

銀行で住宅ローンを組んでお金を支払うのは買い主なので、基本的には売り主から「この銀行で手続きしたい」と指定することはできません。

多くの場合、不動産会社の事務所か、買い主のメインバンクの応接室などが指定されるでしょう。

決済当日に売り主も不動産会社へ仲介手数料を支払う必要がある

不動産売却の決済当日、売り主はお金をもらうだけでなく、不動産会社に対する支払いも必要です。

具体的には、以下の3つの費用です。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 司法書士に登記の手続きを頼むための報酬
  • 不動産の登記にかかる手数料
仲介手数料の支払い方法

不動産会社によっては、売買契約時に半分・決済時に半分請求される場合があります。
事前に確認しましょう。

参考:不動産売却で仲介手数料っていくらかかるの?失敗しないための基礎知識

決済場所への集合から物件の引き渡しまで!決済当日の流れを紹介

不動産売却における決済の流れは、以下のとおりです。1日でまとめて行います。

  • 決済手続きを行う銀行や不動産会社の事務所へ集合する
  • 第三者がいる状態で本人確認をすませる
  • 抵当権抹消登記や所有権移転登記用の書類を準備
  • 不動産売却代金の決済
  • 代金を受け取って領収書を発行する
  • 仲介手数料と司法書士報酬の支払い
  • 不動産の鍵を渡して物件の引き渡し完了

すべての手続きがスムーズに進めば、所要時間は1時間から2時間です。準備不足で手続きを止めてしまうと関係者全員に迷惑をかけてしまうので、一連の流れを押さえておきましょう。

決済手続きを行う銀行や不動産会社の事務所へ集合する

たいていの場合、不動産売却の決済手続きをする場所は、銀行か不動産会社の事務所のどちらかです。銀行で決済をする場合は、営業時間中である平日の午前を目安に集まりましょう。

また、引き渡す物件の最終チェックをするため、一度売却不動産のところに集合し、その後銀行へ向かうというケースも少なくありません。

第三者がいる状態で本人確認をすませる

顔合わせ

売り主・買い主・不動産会社の担当者・司法書士といった関係者が全員そろったら、売り主と買い主の本人確認をすませます。

身分証明書を見せて、売買契約を結んだ本人であることをお互いに確認しましょう。面倒に感じるかもしれませんが、買い主や売り主になりすます詐欺も少なくありません。

万が一のことを考えると、けっしておろそかにはできない手続きです。

抵当権抹消登記や所有権移転登記用の書類を準備

ローンの残っている不動産を売る場合は、売却物件の抵当権を外すための手続き、抵当権抹消登記の準備が必要になります。

また、不動産売却では、鍵を渡したうえで物件の法的な権利を譲ることで正式に引き渡しが完了するので、所有権移転登記も必要です。

登記手続きの書類を用意して記入と署名・捺印を行い、すぐに手続きできるようにしておきましょう。

不動産売却代金の決済

不動産売却に必要な手続きの準備ができたら、買い主から代金を受け取ります。銀行振込の場合、振込手続き後に少し時間ができるため、その間に登記関連の書類を準備しても構いません。

代金を受け取って領収書を発行する

買い主から代金を受け取ったら、領収書を発行しましょう。領収書は、取引が実際に終わったことを示すための証拠書類です。

基本的には、不動産会社が用意してくれた書類の数字や項目をチェックして、サインをすれば発行できます。

仲介手数料と司法書士報酬の支払い

決済終了後に待っているのが、各種料金の支払いです。不動産会社に仲介手数料を、司法書士に報酬を支払いましょう。

なお、上記の代金は買い主から受け取った不動産売却代金で負担するのがスムーズです。

不動産の鍵を渡して物件の引き渡し完了(建物付きの場合)

決済と登記手続きが終わったら、最後に物件の鍵を買い主に渡します。新しいオーナーの邪魔にならないように、室内の掃除や不要品の処分、引越しなどは早めにすませておきましょう。

不動産売却決済時の必要書類まとめ

不動産売却の決済をするときは、以下の書類が必要になります。

  • 身分証明書
  • 不動産の権利証(登記識別情報)
  • 印鑑証明
  • 固定資産税納付書または固定資産税評価証明書
  • 領収書
  • 抵当権の抹消書類

とくに、不動産の権利証は当日絶対に欠かせない重要書類なので、忘れずに用意しておきましょう

また、書類以外に「実印」も必要です。

住宅購入時のパンフレットなど、買い主へ渡すことができれば喜ばれる書類もあるため、あらかじめ不動産会社の担当者に確認しておきましょう。

一般的な決済方法を知って不動産売却の決済をスムーズに終わらせよう:まとめ

不動産の決済手続きの所要時間は、1時間程度です。

決済手段には現金・銀行振込・預金小切手の3種類があるものの、多くの場合銀行振込で支払ってもらうので、平日に時間を取る必要があります。

また、当日は代金を受け取るだけでなく、仲介手数料の支払いや権利証の譲渡、抵当権の抹消登記といった作業も必要です。

振込先を間違われたり、必要書類を一部忘れていたりすると所要時間が伸びてしまうため、スムーズに売却代金を受け取れるように決済の流れを押さえておきましょう。

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