不動産エージェントとは？仲介会社との違いとメリット・デメリットを解説

「不動産を売却したいけど、不動産エージェントに依頼しても大丈夫？」
「不動産エージェントと不動産仲介会社との違いは？」

こんな疑問にお答えします。

不動産エージェント、日本ではなかなか聞き慣れない言葉ではありますが、海外ではメジャーな職業のひとつです。

一般的に、日本の不動産売買取引は不動産会社が仲介を行っています。仕事自体は不動産エージェントとほぼ変わりはありませんが、取り組み方や内容に違いがあります。

今回は、この不動産エージェントについて詳しく解説します。

✅記事の信頼性
監修者：毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太

不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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不動産エージェントとは？

「エージェント」という言葉には、代理人や仲介者といった意味があります。

不動産エージェントは、その名のとおり、不動産の売買や賃貸借契約をする人の代理人としてその取引をサポートする専門家です。

不動産エージェントの最大の特徴は、不動産取引を「個人」でサポートすることです。

不動産の売却（売主）をサポートする場合の不動産エージェントの仕事は、

不動産の購入（買主）をサポートする場合の仕事は、

がメインの仕事となります。

このように、売主・買主にとってより有利な条件で契約が出来るようにサポートするのが不動産エージェントです。

近年、働き方や住まいのニーズの多様化もあり、個人で仕事をしており、自由度の高い不動産エージェントを介して不動産取引が行われることも増えてきました。

不動産エージェントと不動産仲介会社との違いは？

 不動産エージェントも不動産仲介会社の営業マンも、どちらも不動産売買の仲介のサポートをするという業務は同じです。

「一体何が違うの？」と思う方もいらっしゃるでしょう。

不動産エージェントと不動産仲介会社の一番の違いは、「個人」であるか、「企業」であるかの違いです。

個人である不動産エージェントは、売買のサポートをすることが仕事ですが、企業に所属する不動産会社の営業マンは、不動産仲介で企業に利益をもたらすことが仕事です。

その視点で見ると、不動産エージェントの方が顧客により利益をもたらすように動いてくれるかもしれません。

不動産仲介会社は、同じ会社で売主と買主両方の取引をサポートする「両手仲介」も多くあります。両手仲介は、売主・買主の仲介を同じ会社で行うので、両方の仲介手数料が不動産仲介会社に入ります。売主・買主どちらも顧客なので、お互いが納得出来るように調整をすることが多くあります。

一方、不動産エージェントは、売主か買主のどちらか片方の取引をサポートする「片手仲介」がほとんどです。

片手仲介の場合、売主あるいは買主の片方が顧客なので、相手との調整や忖度も不要で顧客の利益を一番に考えたサポートを受けることができます。

また、不動産エージェントは、会社のノルマや利益に縛られない活動ができ、自由度が高いのも不動産会社との違いと言えるでしょう。

アメリカでは両手仲介は禁止されている場合が多い

日本では両手仲介も多く行われていますが、アメリカでは多くの州で両手仲介が禁止されています。

理由は、売主の利益を優先すると買主の不利益が発生し、買主の利益を優先すると売主の不利益が発生する、という関係性からです。

両手仲介は、売主あるいは買主のどちらかに不利益をもたらす可能性がある仲介形態です。訴訟の多いアメリカでは、そのリスクを回避するため両手仲介を多くの州が禁止しています。

参考：囲い込みされてない？不動産売却時のトラブル【悪徳業者編】

不動産エージェントの特徴

 不動産エージェントの主な特徴は以下の通りです。

順に解説します。

①海外では一般的な不動産エージェント

アメリカで不動産エージェントは、医師や弁護士に匹敵する上級資格者とされる職業です。

アメリカは、日本と比べると中古不動産の売買がとても活発に行われており、その取引に関わるのは主に不動産エージェントです。

アメリカでの不動産エージェントは、各州からの許可を得て活動しています。

不動産エージェントは、ブローカー（不動産仲介会社）とフルコミッション（完全歩合制）で契約しており、営業にかかるコストはすべて自己負担、成功報酬型でブローカーから報酬を受け取ります。

一方、日本では、資格（宅地建物取引士、宅建士）がなくても不動産の販売業に従事することができます。多くは不動産仲介会社に所属する従業員であり、所属する不動産会社が集客した顧客の取引をサポートします。

不動産エージェントは不動産仲介会社と契約はしていますが、顧客を獲得できるかどうかは本人の力量次第というところが、大きな特徴のひとつでしょう。個人主義・実力主義のアメリカらしい働き方とも言えます。

②知識や経験が豊富

①でも述べたように、成功報酬型で働いている不動産エージェントは、活躍できるか否かは個人の実力にかかっています。そのため、不動産エージェントは知識や経験がとても豊富な人が多いのです。

不動産仲介会社の中には、知識や経験の豊富な人もいれば、新人で経験も知識も浅い人もいます。担当者を指名することも一般的ではないので、取引を進めるうちに不安や不満が出る可能性もあります。

不動産エージェントとして活躍しているということは、イコール経験知識が豊富である人物であると言えるので、満足のいく取引が期待できます。

不動産エージェントに求められる知識・経験・能力とは

不動産エージェントは、個人で活動しているため、豊富な知識や経験が必要とされますが、具体的にはどのようなものでしょうか。

などが挙げられます。個人で活動しているからこそ、会社ではなく人物そのものが評価されます。業務を円滑に進めるため、日々努力していることがうかがえます。

③顧客の希望に寄り添った活動

不動産エージェントは、不動産仲介会社と違い、取引がほぼ片手仲介です。

片手仲介は、取引の売主あるいは買主どちらかのみのサポートをすることになるため、顧客の希望に添うことに専念できます。

顧客が売主の立場であれば、高値で売ることが出来た場合、売主の利益は増えますが、仲介手数料を報酬とする不動産エージェントも報酬額が増えるので、より一層尽力してくれることでしょう。

また、不動産仲介会社の営業担当とは違い、個人で業務を行っているので、会社の規定や規則に縛られることなく、柔軟に小回りのきく対応ができることも魅力です。

不動産エージェントに依頼するメリットと気を付けたいこと

不動産エージェントに仲介を依頼した場合する場合、どのようなメリットがあるか、大体想像がついたかと思います。以下にまとめてみました。

総じて、顧客にとって最善の取引になるように仲介をサポートしてくれることがメリットです。ここまで良い点ばかりの不動産エージェントですが、いくつか注意しておきたい点もあります。

まず、日本では不動産エージェントとして活躍している人数が少ないということです。人数が少ないため、まず見つけるのも大変ですが、その中で自分の希望に合う不動産エージェントを探すのはさらに大変かもしれません。

また、日本では、宅地建物取引士の資格がなくても不動産業務を行うことができてしまうので、資格を持っていない人が不動産エージェントを名乗っている可能性もあります。

そして、不動産エージェントに依頼する費用についてですが、原則報酬は仲介手数料だけなのですが、中にはコンサルティング料がかかる場合もあります。事前に確認しておきましょう。

不動産売却を依頼するときは自分にあった方法を見極めよう：まとめ

アメリカでは主流の不動産エージェントですが、日本とアメリカでは不動産流通の違いもあり、まだまだ不動産エージェントとして活躍する人が少ないのが現状です。

そして、不動産エージェントに依頼すれば必ず自分の満足のいく取引が出来るかといえば、必ずしもそうとは限りません。なぜなら、取引が上手くいくかは不動産エージェント個人の力量によるところが非常に大きいからです。

不動産仲介会社という看板を持っておらず、個人で活動していることが逆に不利に働いてしまうケースも日本ではあるかもしれません。

不動産取引は非常に高額な取引です。不動産仲介会社に依頼する際は、その会社はもちろんですが、担当営業マンの知識や経験が十分であるか、信頼出来る人物であるかしっかり見極めるようにしましょう。

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