「不動産を売却するときの必要書類を知りたい」
「不動産売却時に必要書類を無くしたらどうすればいい?」
こんな要望にお応えします。
不動産売却は人生の中でも一大イベント。必要書類を集めることだけでも大変な労力を要します。そのため、不動産を売却すると決意したら早めに必要書類を把握して準備しなければなりません。
今回は、不動産売却時に必要な書類と発行方法などを詳しく解説します。
\厳選2,300社と提携・国内最大級!/
不動産売却を依頼する際に必要な8つの書類
不動産売却は、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。必要書類は不動産会社が指示してくれますが、基本的には以下8つの書類を提出することになります。
- 登記事項証明書(土地・建物)
- 不動産売買契約書
- 重要事項説明書
- 土地測量図・境界確認書
- 固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書
- 借入金残高証明書or返済予定表
- 図面・設備等仕様書
- 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
順に説明していきます。
①登記事項証明書(土地&建物)
- 概要:土地や建物ごとの所有者や所在地などの情報がデータで記録されているもの
- 発行:管轄の法務局
- 手数料:ネット申請窓口受取 480円、ネット申請郵送受取 500円、窓口申請窓口受取 600円
土地と建物両方を売却する際はそれぞれ1通ずつ必要です。不動産会社は売却の対象となっている不動産が、実際に依頼主のものなのかどうかを確認するため、登記事項証明書の提出を求められます。
発行は管轄の法務局でできますが、ネットでの申請も可能です。売却を依頼した時点で不動産仲介会社がサービスで用意してくれる場合もあります。
参考:不動産の「登記簿」(登記事項証明書)の正しい見方を分かりやすく解説
②不動産売買契約書
- 概要:不動産購入時に交わした契約書
- 再発行:不動産購入時の不動産会社やハウスメーカーなど
不動産の現状や条件などを確認するために、購入時の売買契約書が必要になる場合があります。購入時に契約を交わした不動産会社などが同じものを持っているはずなので、紛失した場合は連絡してみましょう。
また、売買契約書は3,000万円特別控除等の税金優遇制度を利用する場合の証拠書類にもなるので、今現在は売却の意思がなくても大切に保管しておきましょう。
③重要事項説明書
- 概要:不動産や契約に関する重要事項記載書類
- 再発行:不動産購入時の不動産会社やハウスメーカーなど
紛失した場合は購入時に契約した不動産会社などで再発行してもらえる可能性があります。しかし、不動産会社が保管していないこともあるので、再発行できない場合は売却の依頼をした不動産会社に相談しましょう。
④土地測量図・境界確認書
- 概要:土地面積や境界線などが記載されている書類
- 再発行:管轄の法務局
- 手数料:ネット申請窓口受取 430円、ネット申請郵送受取 450円、窓口申請窓口受取 450円
不動産購入時に手渡されているものです。紛失した場合は法務局にて再発行できますが、過去には不動産の登記に土地測量図や境界確認書が不要な時期があったため、書類が存在しない不動産もあります。
この場合、再測量が必要になることもあるため、売却を依頼した不動産会社に相談しましょう。
参考:土地売却における「測量」の必要性や流れ・費用について徹底解説
⑤固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書
- 概要:固定資産税の納税額や評価額がわかるもの
- 発行:管轄の市区町村役所
- 手数料:約200~300円 ※市区町村による
不動産所有者に毎年送られる固定資産税納税通知書で、不動産売却において移転登記する際にかかる登録免許税の算出に使われます。
納税通知書は原則再発行できません。また、不動産の評価額がわかる固定資産税評価証明書も必要なので、市区町村の役所で発行してもらいましょう。
時間がない場合は不動産仲介会社に委任することもできます。(一般的な媒介契約の約款には、委任や代理業務に関する事項が記載されています。)
参考:固定資産税の計算方法と不動産売却時の精算について【宅建士が解説】
⑥借入金残高証明書or返済予定表
- 概要:残っている住宅ローンなどの金額を証明する書類
- 再発行:住宅ローンなどを借り入れしている金融機関
住宅ローンなどを組んで不動産を購入した場合、売却時に借入金残高証明書の提出を求められることがあります。不動産の価格などを決めるうえで重要な指標となるので、紛失した場合は金融機関で再発行してもらいましょう。
⑦図面・設備等仕様書
- 概要:間取り図や資材等の書類
- 再発行:不動産購入時の不動産会社やハウスメーカーなど
購入時に手渡されているものですが、紛失の際は購入時に契約した不動産会社に連絡して再発行してもらいましょう。
売却する不動産が土地のみの場合は不要です。
⑧耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
- 概要:耐震診断やアスベスト使用調査を受けた際の報告書
- 再発行:不可
これらの書類は必須ではありませんが、不動産の情報は多いに越したことはありません。
売却する不動産が土地のみの場合は不要です。
不動産売買契約をする際に必要な5つの書類
買主と売買契約を締結する際に必要になる書類を紹介します。不動産に関する書類というよりは、本人確認書類など、以下のような売主個人に関する書類となります。
- 本人確認書類
- 実印
- 通帳
- 印鑑登録証明書
- 住民票
順に解説します。
①本人確認書類
- 概要:運転免許証などの身分証明書
- 備考:不動産が共有名義の場合は共有者全員分
不動産の売主が不動産所有者本人であるかどうかを確認するために必要で、基本は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど、写真付きの身分証明書が有効です。
②実印
- 概要:市区町村の役所に登録した印鑑
- 備考:紛失した場合は市区町村役所にて改印届
売買契約書などには、役所に登録した印鑑である実印を押印しなければなりません。不動産が共有名義の場合は共有者全員の実印が必要です。
購入時にも使用しているので持っているはずですが、紛失した場合は市区町村役所に改印届の手続きをしなければなりません。
③通帳
概要:売却代金を振り込んでもらう口座の通帳
不動産の売却代金から仲介手数料などの諸経費を差し引いた金額を振り込んでもらう銀行口座を指定するため、通帳が必要です。
現金手渡しを希望する方もいらっしゃいますが、安全確保・取引記録のためにも一度通帳に入金することをおすすめします。
参考:不動産売却時の決済方法や所要時間・必要書類を宅建士が徹底解説!
④印鑑登録証明書
- 概要:実印が実印であることを証明する書類
- 発行:市区町村役所※発行後3ヶ月以内のもの
- 手数料:約200~300円※市区町村によって異なる
有効期限は発行後3ヶ月以内のものなので、買主が見つかってから市区町村の役所で発行してもらいましょう。また、不動産が共有名義の場合は共有者全員分の印鑑登録証明書を準備しなければなりません。
⑤住民票
- 概要:登記上の住所と現住所が異なる場合に必要
- 発行:市区町村役所※発行後3ヶ月以内のもの
- 手数料:約200~300円※市区町村によって異なる
売主の登記事項証明書の住所と現住所が違う場合、居住地変更の履歴がわかる住民票が必要になります。発行後3ヶ月以内のものを用意しましょう。
不動産の引き渡しの際は登記事項証明書の住所と印鑑証明書の住所が一致していなければなりません。
住民票を移すタイミングに関する詳しい記事は下記をご覧ください。
>>【不動産売却の基礎知識】住民票を移すタイミングと住所変更登記について
不動産を買主に引き渡す際に必要な5つの書類
売買契約後、不動産の引き渡しの際に必要な書類は以下の5つとなります。
土地だけの場合は、建物に関する書類は不要です。
- 登記済権利書or登記識別情報
- 建築確認済証・検査済証
- 建築工事設計図書
- 設備に関する説明書
- 抵当権抹消書類
順に解説していきます。
①登記済権利書or登記識別情報
- 概要:不動産の所有者である証明書
- 備考:再発行不可※事前通知制度or本人確認証明情報提供制度
- 手数料:約200~300円※市区町村によって異なる
購入時に渡されているので、売却時はそれらを不動産と一緒に買主に渡さなければなりません。再発行できないので、もし紛失した場合は事前通知制度、もしくは本人確認証明情報提供制度の利用が必要になります。
事前通知制度
不動産を手放した後、登記済権利書などがないときでもその旨を法務局に説明したうえで移転登記できることがあります。その場合、法務局から「事前通知書」という書類が本人限定受取郵便で売主に送られてくるので、実印を押印して法務局に持参、もしくは返送すると、その不動産が自分のものであることを証明できます。
事前通知書が発送されてから2週間以内に手続きしなければならず、その期間を過ぎれば登記申請は却下されます。
本人確認証明情報提供制度
司法書士などの有資格者に依頼し、売主が不動産の所有者本人であることを証明する本人確認証明情報を書面で作成してもらいます。それを法務局に提供すれば事前通知制度を省略できることがあります。
事前通知制度よりも簡単ですが、プロに依頼しなければならないので5~10万円ほどの費用が必要です。
参考:不動産売却で必要な権利証ってなに?宅建士が4つのポイントで解説
②建築確認済証・検査済証
- 概要:不動産が法律に則っていることを証明する書類
- 備考:再発行不可※代用書類:建築物台帳等記載事項証明書
- 手数料:約1,000円※市区町村によって異なる
購入時に渡されていて再発行できない書類になるので、紛失した場合は管轄の市区町村役所で建築物台帳等記載事項証明書という代用書類を発行してもらいましょう。
③建築工事設計図書
- 概要:不動産の設計や工事に関する書類
- 再発行:不動産会社やハウスメーカーなど
所有者が建替えやリフォームなどを行うときに必要なので、売却時は次の所有者に渡さなければなりません。購入時に契約した不動産会社などが同じものを持っている可能性があるので、紛失した場合は問い合わせてみましょう。
④設備に関する説明書
- 概要:トイレやバスルームなどの設備に関する説明書
- 再発行:メーカー公式サイトorお客様サポートセンター
必須ではありませんが、あると買主さんに親切です。失くした場合は各メーカーの公式サイトで入手するか、お客様サポートセンターに問い合わせましょう。
⑤抵当権抹消書類
住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、不動産を担保にお金を借りており、その担保を抵当権と言います。
売却して住宅ローンを完済したあとは抵当権を抹消しなければなりません。その際に必要な書類が以下の5つで、抵当権抹消書類といいます。
- 抵当権抹消登記申請書:法務局の窓口や公式サイトから入手可
- 解除証書or弁済証書:ローン完済時に金融機関からもらえる※ない場合もある
- 抵当権設定契約書:不動産購入時にローンを組んだ際の契約書
- 委任状:金融機関以外が抵当権抹消手続きをする際に必要
- 登記事項証明書
自分で準備するものは抵当権抹消登記申請書のみで、法務局の窓口や公式サイトから入手できます。
解除証書もしくは答弁証書、抵当権設定契約書、委任状は住宅ローン完済時に金融機関が発行してくれるものです。解除証書や答弁証書は、金融機関によっては発行していないところがあります。
その場合、抵当権設定契約書に抵当権を解除した旨の記載があり、抵当権設定契約書で解除証書や答弁証書を兼ねています。
登記事項証明書は、不動産売却を進めていけば抵当権抹消の段階では既に持っているのが一般的です。
不動産売却に必要な書類は早めに準備しよう:まとめ
不動産を売却する際は、不動産売買契約に関する書類や売主に関する書類など、いろんな種類の書類が必要になります。書類によって発行場所や手続きの仕方もまちまちなので、早めに確認して準備すべきです。
また、再発行できない書類もあり、代用書類を用意しなければならない場合は手間や時間がかかります。不動産の売却をスムーズに進行させるためにも、必要書類については事前に調べておきましょう。
信頼できる不動産会社選びです!
\厳選2,300社と提携・国内最大級!/
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)