遠方の不動産を売却するために押さえておきたい3つのポイント

  • 遠方にある実家を売却したいけど、どうすればいいの?
  • 不動産を相続したのはいいけど、遠方にあるため売却手続きが面倒くさい
  • マイホームを購入したけど、単身赴任期間が長くてもう売却してしまいたい

こんな悩みを解決します。

不動産売買は高額な取り引きで、しかも様々な法律が絡んでいます。トラブルに巻き込まれないためにも必ず不動産売却のプロに依頼するべきです。

そこで今回は、遠方の不動産をトラブルなく円滑に売却するにはどういたらいいか、信頼できる不動産会社をどうやって選べばいいかを解説します。

記事の信頼性

監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太

不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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不動産売却を考え始めたらまずは査定依頼しよう

売却したい不動産が遠方にある場合、まずは査定してもらう不動産会社を探すことから始めます。

親族や知り合いに不動産屋さんがいれば、不動産会社の選定や維持管理に協力してもらうこともできますが、そうでない方はまずパソコンかスマホを開いて「〇〇(地域名) 不動産売却」等と検索して不動産会社を調べる事と思います。

しかし、どの不動産会社が良いのか判断も出来なければ基準も分からないと思います。そんな時は、所有する不動産がある近隣の不動産会社を探しましょう。その不動産の地名で検索して出てきたらなお良しです。

何を選ぶにも、直感型と慎重型で動く人に分かれると思いますが、今回は慎重型の方のためにご説明いたします。

不動産会社の選定

不動産会社にもそれぞれ特色があります。賃貸管理を得意としている会社もあれば、売買を得意としている会社もあります。

さらに売買の中でも、購入者へ希望条件の合う物件を探すこと(業界用語では客付け)が得意な会社と、不動産を売ることが得意な会社とに分かれます。

とても、分かりにくいですよね。両者の特性をを見極めることがとても大事なのです。

不動産の売却査定を依頼する上で、「自分の不動産がいくらなのか」「本当に売れるのか」一番気になる所だと思います。

遠方に住んでいる場合は、売却査定依頼のために不動産会社を直接訪問することも難しいと思いますので、不動産一括査定サイトを利用する方法と、地元の不動産会社のホームページを見て複数社選ぶことをお勧めします。
このときに、会社を選び過ぎても精査するのが大変になるため、多くても3社に留めておくことが重要です。

参考:不動産査定額に差が出るのはなぜ?高く早く売却するための6つのポイント

 不動産会社の見極め方

やり取りの方法は、電話、メール、郵送物が一般的です。
最終的には面談することになりますが、肝心なのは『信頼できるか、安心して任せられるか?』という感覚です。

また、売り手が依頼するのは「不動産会社」ですが、実際はその会社の「担当者」が営業活動を行います
会社は良くても、担当者とそりが合わない、熱心ではない等はよく耳にすることです。

そのため、「営業担当者」で選ぶことが重要です。

不動産売却には担当者選びが重要

一般的には、最初の接客から決済まですべて担当者一人で進めます。途中で変更してほしいと思っても、なかなかうまくいかないことが多いため、不動産会社・担当者は慎重に見極めましょう。

そして、査定報告を受け取る場合は、資料の郵送(メール)と電話の両方で詳細報告を受けることをお勧めします。
(ここを面倒臭いと敬遠してはいけません。電話で直接会話することにより担当者の人柄を感じ取る瞬間です)

この時点で、信頼して任せられる人と出会えたら、後はその担当者の会社と媒介契約を締結して販売活動を進めることです。

しかし、まだ信頼できる人が見つからない場合は、最初のプロセスに戻って、一から不動産会社を探してみるか、査定報告を受けた複数社と実際に面談して確かめる事をおすすめします。

不動産売却は、数百円の取引ではありません。念を押しますが、不動産取引は高額な上に法律も絡んでくるため、最初の「見極め」を慎重に行うことが何より肝心なのです。

check point
  • 遠方の不動産査定をする場合は、不動産一括査定サイトか、地元の不動産会社を検索して調べよう
  • 査定書を受ける場合は、資料郵送(メール)と電話で詳細報告を受ける
  • 営業担当者で選ぶことが重要
注意点
  • 複数社依頼すると取りまとめが大変。3社までに留めておくことが望ましい
  • プレゼンの内容が不明瞭、質問に的確に答えられないことが続く営業担当者は避ける
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不動産会社を選んだあとは何もしなくていいの?

売却物件が土地の場合は、書類の準備(権利証の有無、固定資産税評価書類等)ができれば、販売期間中は特に何もしなくて構いません。

売却物件がマンションや一戸建ての場合は、一般的に購入希望者の内覧の対応が必要ですが、遠方の不動産であれば対応できないので不動産会社に任せましょう。

購入希望者が出てきて、契約条件の調整が終えた後は売買契約の運びとなります。

その後引渡しに向けて進めますが、引渡し時には売り手であるあなたが不動産の所在地まで足を運ぶことが必要です。

参考:不動産売却に関する手続きの流れ

まず売却不動産の関係書類を探そう

不動産を売却する場合、不動産の所有者を示すものがあります。いわゆる『権利証』です。

平成19年以降に取得したものは、『登記識別情報』というものに変わりましたが、それ以前のものは、『登記済権利証』というものです。

この権利証と印鑑証明書を司法書士に渡し、移転登記手続きの書類に実印で押印します。そのため、どの形式にしてもこの2点は必ず必要です。

あとは、下記図のように、取引形式によって必要なものが変わります。詳細は、依頼する不動産会社の方に確認することが良いでしょう。

<売買契約時に用意するもの>

当事者として立ち会う場合代理人を介して立ち会う場合
・登記済権利証または登記識別情報・登記済権利証または登記識別情報
・実印・委任状(本人の自署と実印を押印)
・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの1通)・本人の印鑑証明書
・住民票(発行後3ヶ月以内のもの1通)・代理人の印鑑証明書
・管理規約等・本人の本人確認資料
・建築確認通知書、建築協定書等
・固定資産税納付書
・顔写真付き本人確認資料(運転免許証等)

不動産の所在地に行くことはある?行く回数は?

不動産売買で、売り手と買い手が顔を合わす場面は一般的には2回です。「売買契約時」と「残代金決済時」になります。

売買契約においては、どうしても買主・売主双方の都合が合わない場合は、仲介業者が買主・売主双方に出向いて契約を行います。これを「持ち回り契約」と呼びます。

しかし、残金決済時は高額の現金の支払いがあるため、原則として本人が出席することをお勧めします

仕事が多忙で出席できない場合や、療養中で長時間の移動が困難などの場合は代理人を介して行う事もあります。

参考:代理でも不動産売却できるの?宅建士が5つのポイントで徹底解説

check point
  • 信頼できる不動産会社(営業担当者)を見つけたら、あとはどっしり構えて待ちましょう
  • 「売買契約時」と「残代金決済時」にはなるべく不動産所在地に行けるように調整しましょう
注意点
  • 事前に必要書類の確認を。不足書類がある場合は、早めに営業担当者に相談して所定の手続きを済ませましょう
  • 不動産の所在地に行けない場合は、早めに営業担当者に知らせて代理人の手続きを行いましょう
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遠方の不動産売却でよくある質問

遠方の不動産を売却する方から多い質問をまとめました。

不動産の所在地の不動産会社を選ばないとダメ?

ダメとは断言できませんが、地元に精通している会社を選ぶことをお勧めします。

地域の事は、地元精通者に聞くのが一番だと言われています。これは、昔から道を尋ねるときは交番か不動産屋さんに行けと言われるくらいです。

また、地域や学校区によっても相場の違いが出てきます。不動産の地価や物件はとても流動的です。

自分が新しい街に住み始めるときはどんな街なのか、どんな人がいるのか等、不安がありますよね。昔のことから現在のことまで詳しい地元の人はとても強い味方になります。
なので、物件所在地のエリアで営業活動を行っている不動産会社を選ぶことをお勧めします。

参考:マンション売却するときは「大手」と「中小」どちらの不動産会社に依頼したらいいの?

売れにくい不動産の特徴は?

主に以下の不動産が売れにくいとされています。

  • 広すぎる土地
  • 急傾斜の土地
  • 旗竿地(路地状敷地)
  • 墓地が隣接する立地
  • 周辺に必要な生活施設が少ない立地
  • 公道に接していない、私道にのみ接している土地(権利関係が不透明な場合)
  • 上下水道等が整っていない土地

参考:【不動産売却を依頼したのに売れない】14の理由と7つの対策

買い手が付かない場合はどうすれば?

一般的に、近隣の相場価格で販売活動をすると、販売開始して3ヶ月以内で買い手が見つかることが多いですが、3ヶ月が経過しても、内覧者が全く現れない、月に2組程度しか現れないのであれば不動産会社を変えた方がいいかもしれません。

不動産会社によって得意・不得意なジャンルがあるため、会社を変えることであっさり売却できたというケースもあるのです。

また不動産の売買は営業担当者の力量が左右する部分も大きいので、担当者の働きに不満がある場合にも、別会社への変更を検討した方がいいでしょう。

check point
  • できるだけ、不動産所在地に詳しい不動産会社を選ぶことがポイント
  • 自分の不動産の特性を把握しておこう
注意点

媒介契約後、3ヶ月間の販売活動を検証して、不動産会社を変えることもポイント

参考:不動産会社との専任媒介契約の有効期間は3ヵ月!更新・解約方法を解説

一番大切なのは不動産会社とのコミュニケーション:まとめ

不動産協会の統計では、過去に遠方の不動産を売却した方の中で一番困難だったことに「不動産会社とのコミュニケーションの取り方」があがっています。

ただ単に高く売れれば良いと言って、十分な不動産会社選びをせずに一番高い査定をした会社に任せる方は、不動産売却を失敗する典型的なパターンです。

信頼して任せている方と、高値売却しか見ていない方との差は、『営業担当者との信頼関係』です。
不動産会社に丸投げするという方がいらっしゃいますが、成功している方のほとんどは、営業担当者と信頼関係をしっかり築けている方です。

自分の財産ですし、安心して売却でき少しでも損をしないようにと考えるのであれば、信頼できる不動産会社選びは大変重要になってきます。報告と質の良い連絡をくれるパートナー探しを第一に行うことで、スムーズな売却活動ができます。

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