不動産を高く早く売却するには【一般媒介契約】~その3つの理由~

媒介契約

前回の記事(不動産査定額に差が出るのはなぜ?高く早く売却するための6つのポイント)では、お金をかけずに不動産を高く早く売却するためのポイントをお伝えしました。

さらに媒介契約の依頼方法を知れば、より高く売却できる可能性があります。

それは、一般媒介で契約することです。

でもどこの不動産会社も「高く早く売るなら専任媒介がおすすめです。」って言ってるんだけど・・・

確かに、不動産会社なら必ずこのように言う事でしょう。
なぜなら、専任媒介契約は不動産会社にとって都合が良いからです。

そこで今回は、なぜ不動産会社が専任を勧めたがるのか、その理由について解説します。
これを理解すれば、不動産を高く早く売るには、なぜ一般媒介が良いのかがわかります。

記事の信頼性

監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太

不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)

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専任媒介契約を狙う訳。そこには両手契約があるから。

不動産業界では、売主・買主双方から手数料をもらう事を「両手契約」と言います。
1つの契約で、売却・購入が自社の顧客であれば、売主だけではなく、買主からも仲介手数料をもらう事が出来るのです。

「えっ、仲介手数料は、売主も買主も払うの?」

そうです。
仲介手数料とは成功報酬であり、不動産会社の仲介で売買契約が成立した場合は売主だけでなく、買主からも請求できるものとしています。
そこで、営業マンは両手契約を狙い、専任媒介を取ろうとしてきます。

専任媒介または専属専任媒介であれば、売主を独占する事ができ、仮に他社紹介の購入者で売買契約になったとしても、売主から手数料がもらえるためです。

しかし、一般媒介契約では売主を独占する事が出来ないため、他に売却依頼した会社で決まってしまうと、仲介手数料はもらえません。そのため、営業マンは専任媒介契約を取ろうと必死で口説いてきます。

そこには「お客様のために」という気持ちより「仲介手数料を確実に取りたい」という強い気持ちがあるためです。

3つの媒介契約(一般・専任・専属専任)に関する詳しい記事はコチラから

>>【不動産媒介契約とは?】3つの種類と違いについて【オススメは一般媒介】

不動産営業マンの給料の仕組みと裏事情

さらに、営業マンはその給料体系のために、専任を無理矢理でも取らなければならないという裏事情があります。

それは、大半の営業マンの給料が歩合制という事実です。両手契約なら単純に歩合給が2倍になると考えても差し支えありません。
このため、いかに「両手で稼ぐか」が重要になってくるのです。これはあなたにとって大変危険な事です。

実は、不動産会社の中には両手契約を狙うために、他社から購入申込書が届いても、そちらを優先しないで自社のお客様を優先する実態があります。俗にいう、"囲い込み営業"です。

囲い込み営業によって、高く売れれば売主にとっては悪いことではありませんが、もし、媒介業者の申込書より他社から購入申込書が100万円高い金額で届いていたとしたら…。あなたにとっては大変な損害です。

専任媒介を避けた方がよい具体例

仮に専任媒介でA社が5,000万円で売却依頼を受けたとします。
そうすると、A社は、不動産流通機構に7日以内に掲載する義務が生じます。

不動産流通機構とは

宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、通称「レインズ」と呼ばれています。
現在、全国に4法人(東日本、中部圏、近畿圏、西日本)が設立されており、それぞれの法人が担当する地域の不動産情報の交換業務等を行っています

不動産取引は、原則として共同仲介する旨が決まっています。
登録後は、他社であるB社、C社、D社・・も購入希望者への紹介が可能になります。

例えば、B社から満額の5,000万円で購入申込書(欲しいという意思表示)が入ったとしましょう。
同時期に、A社のお客様より100万円減額の4,900万円で購入申込書が入ったとします。

ここで、A社は、B社の5,000万円の話を売主にすると思いますか?

結論から言って、売主には話さないケースがほとんどです。
その理由は、先ほどお話ししたように、たとえ売買価格が100万円下がろうとも、A社は両手契約できるチャンスだからです。
手数料にすると、4,900万円の仲介手数料は153万円。両手取引の場合は倍額の306万円です。

不動産仲介会社の利益は上がりますが、売主にとっては100万円の不利益になるという事実。

売主に報告するタイミングは、A社の4,900万円でまとまらない場合のみです。まとまるようであれば、敢えて話しません。

「じゃB社の顧客が怒るのでは?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、A社は4,900万円で話を進めているとは、B社には伝えません。
あくまで、同じ5,000万円かそれ以上で同時に申込みがあったとだけ伝えればいいのです。

このような不動産会社と営業マンにとっては、売主のために高く売るより、両手契約をしていかに多く仲介手数料を稼ぎ、自分の歩合給(給料)を稼ぐかが、一番重要なのです。

専任媒介や専属専任媒介によって、依頼する不動産会社を1つにするのは、こういう危険を伴う可能性があるのです。
その為、不動産会社と営業マンを見極めることがとても重要なのです。

参考:【不動産会社の選び方】 信頼できる仲介会社を見分ける5つのポイント

一般媒介契約で不動産会社を見極めよう:まとめ

「じゃあ、どうすればいいの?」「専任は避けた方がいいの?」
取引の内容にもよりますが、当サイトでは一般媒介をおすすめしています。

不動産の売却を考え始めたら、まずは複数社に売却不動産の査定を依頼してください。
査定報告を受けるときは、その会社と営業マンを見極めるチャンスです。必ず対面で説明を受けてください

査定報告を受けて、「この人なら任せられる!」という1社を見つけた場合は、専属専任媒介契約か専任媒介契約でもよいでしょう。
その自信がない場合は、3社に依頼しても結構ですし、2社に絞っても構いません。

複数社にすることで、一番の目的は仲介会社同士を競合させること
前述のように、仲介会社は一般媒介契約では売主を独占することが出来ないため、他社に負けないように必死で専任媒介の営業をします。そして、早く購入者を見つけて減額交渉のない取引を目指します。もちろん、両手契約も狙っています。

また、競合他社が存在する事で先程のような悪質な行為は排除できますし、もしそのような行為をする不動産会社であれば契約解除を求めればいいのです。

一般媒介契約は不動産をはじめて売却する人にとって、安心・安全な不動産売却が可能であり、高く売れる方法です。
一般媒介契約中に購入者が見つかって成約に到るに越したことはありませんが、契約期間内に購入者が見つからなかった場合、複数社のうち、売却活動を一生懸命に取り組み、一番信頼をおける不動産会社(営業マン)を見極められたときは、専属専任媒介契約か専任媒介契約に切り替えて、より売却活動に精を出してもらうことも早期売却・高値売却のコツです。

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