シェアハウス売却は2パターンある!それぞれのメリット・デメリット

鍵と図面

「シェアハウスを高く売却したい」
「そもそもシェアハウスって売却できるの?」

 

こんな悩みにお答えします。

シェアハウスと言えば、2018年のスルガ銀行の不正融資問題を思い出す方も多いでしょう。この問題によって、シェアハウス売却をあきらめているオーナーも少なからずいますが、まだまだシェアハウスやゲストハウスの需要はあり、注目されています。

そんなシェアハウスの売却を考えているなら、シェアハウスを売却する方法とそれらのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

一般の住宅と生活形態が異なるシェアハウスは、売却方法も一般の住宅とは異なる点があります。シェアハウス経営者で売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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シェアハウスを売却する2つの方法

鍵を渡す

シェアハウスとはそもそも、家族ではない不特定多数の人間が一緒に共同生活を送る家のことで、「家賃が比較的安く済む」「1人暮らしの寂しさがない」などさまざまなメリットがあるとして近年注目されてきました。

しかし、同時にシェアハウスの経営は、常に複数人入居していることで利益がでるので、1人でも住居者が抜けてしまうとシェアハウス経営に支障をきたしてしまう可能性があります。赤字経営になればその物件の売却も考えなければなりません。

では実際、売却するときはどのような方法を取ればいいのでしょうか。以下は、シェアハウスを売却するときに用いられる主な方法です。

方法1. シェアハウス(オーナーチェンジ物件)として売却する

オーナーチェンジ物件とは

入居者はそのままに大家の変更が行われる物件のこと

オーナー、つまりその家の管理者を変える際、「投資物件」として売りに出し、新しい投資家を迎え入れるためにシェアハウスを売却します。

オーナーチェンジをした時は、新しい家賃の振り込み先の連絡先を入居者に「オーナーが変更しました」という通知を出せばよいだけで、貸主変更の同意を得る必要はありません。また、オーナーが変わったからといって退去させる必要もありません。

次に説明する「空き家にして売る方法」よりも手続きは簡単なのがメリットと言えます。

方法2. 一般的な住宅(空き家)として売却する

オーナーチェンジとは正反対の方法もあります。それは入居者を全員退去させて空き家にした状態、つまり一般的な住宅に戻した状態で売却する方法です。

空き家にしてしまえば、中古の戸建てとして売却できるので、売却対象を投資家だけに限る必要はなくなります。一般消費者にも売却対象を広げられるのです。

【例外】任意売却も可能

シェアハウスを運営する際、多くの場合は物件をローンで購入します。そのため、売却を考えている人の中にも、まだローンが残っている状態の人も少なくないでしょう。
シェアハウス自体の経営が難しく、支払いが困難であるがゆえに、急いで売却したいというのが本音のはずです。

その際に用いられるのが、「任意売却」です。任意売却とは、債権者となっている金融機関から許可をもらって、ローンを法的に清算する売却方法のことを指します。
シェアハウスの経営者は、売却金を返済に充て、不足分は任意の額で少しずつ支払うことが可能になるのです。

ただ、詳しくは後述しますが法的に清算するということはそれなりにデメリットも存在します。
そのため任意売却を進めるときは、いきなり銀行に出向き任意売却と申し出るのではなく、まずは任意売却に詳しい不動産会社に相談するのが一般的です。

いきなり銀行に出向くと、門前払いされる可能性が高いので注意しましょう。

シェアハウスのままで売却するメリット・デメリット

シェアハウスとして購入した家を、そのままシェアハウスとして売却するときにもたらされるメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

売却方法を選ぶときは、必ずこれから紹介する各方法のメリット・デメリットを理解したうえで選ぶようにしてください。
現状や、売却後の状況などを予測したうえで計画的な売却を行わないと、トラブルのもとになってしまいます。

【メリット】1. 初心者でも売却しやすい

前述したように、シェアハウスとして売却する際の最たるメリットは、「余計な手続きなどが少なく、初心者でも始めやすい」という点です。

そもそも買い手から見る不動産投資には、金利変動に関するリスクや空室を埋めないといけないリスクなど、さまざまなリスクがつきまといます。

しかしシェアハウスとして物件を買えば、初期投資を抑えられてかつ最初から入居者がいるのです。したがって複数のリスクを事前に抑えられます。

この買い手に対するメリットは当然売り手にも通じ、不動産投資の経験や知識がない初心者でも買い手へのリスク配慮をしなくても済みますし、やりやすいといえるでしょう。

【メリット】2. 収益性のある物件の場合売れやすい

経営しているシェアハウスが、立地や駅までのアクセスなどを加味したうえで「収益性のある家」だと判断されれば、シェアハウスに投資をしている投資家から「買いたい」と声がかかりやすくなります。

また、過去の空室状況や平均的な収入などを同時に示すことができれば、より具体的に投資家へ情報を提供することが可能です。

参考:【収益物件売却の基礎知識】売却のタイミングや高く売る方法など解説

【デメリット】1. 入居者がいるため内見希望を受けにくい

シェアハウス

デメリットの1つ目として挙げられるのは、「入居者がいると内見できないという点」です。
内見とは、購入する前に建物内部の状態を実際に目で見て確認することで、目的は劣化部位の修繕をするかどうかの把握、減額交渉のためといったところが大半をしめています。

しかし、シェアハウスとして売却をする場合、入居者のプライバシーの問題もあることから、詳しい内見が難しくなります。そのため、投資家や購入者は「内見が細かくできないのであれば、購入するのはやめておこう」といった考えを持ちやすいのです。

可能であれば、入居者に説明をして内見をさせてもらえないか提案するべきでしょう。

【デメリット】2. 入居条件の変更が難しい

入居者がいる状態でシェアハウスを売却に出す場合、購入者が希望している条件に変更しにくいというデメリットも発生します。

たとえば前オーナーがペット飼育を認めており、入居者がペットを飼っていたとします。この場合新しくオーナーとなる購入者がペット飼育不可にしたいと申し出てきたとしても、その条件にすぐ対応させることはできません。入居者が契約した際のオーナーとの内容が優先されるからです。

こうした理由により、購入希望条件と売却条件が合わずに売却に至りにくいことはデメリットといえるでしょう。

シェアハウスを空き家として売却するメリット・デメリット

物件をすすめる

シェアハウスを一般的な住宅(空き家)にして売る方法には、オーナーチェンジの方法とはまた違ったメリット・デメリットがあります。
オーナーチェンジの方法と比べてどちらが良いか比較しながら見てみましょう。

【メリット】売却する対象が広がる

空き家の状態にしてしまえば、中古の戸建てとして不動産を売りに出せます。この状態で売ることでシェアハウスを専門としている投資家だけではなく、普通にそこに住みたいと考えている一般消費者にまで売却する対象の幅を広げられるのです。

売却対象の幅が広がれば、それだけ売れるチャンスの増加につながります。

【デメリット】入居者がいた場合強制退去させられない

一方で、まだシェアハウス内に入居者がいるケースでは空き家として売ることはできませんし、オーナーから一方的に退去させることも不可能です。

シェアハウスを空き家として売却に出したいのであれば、売却と同時に入居者と交わした契約書の内容も確認しましょう。そこで「契約形態」と「解約時期」について把握しそれぞれに適した方法を取るのが先決です。

退去通知の届け出は『借地借家法』により「期間満了の1年前から6カ月前までに入居者へ出すこと」と定められています。したがって売却を考えているのであれば、この期間内に退去通知を出すのが原則です。必ず期間内に退去通知を出すようにしましょう。

ちなみに、契約期間を一定にしており、退去時期が明らかになりやすい「定期借家契約」を結んでいた場合も、退去通知は必要です。退去通知がなければ、期間が定められていても貸主から契約を終了させられないので、注意しましょう。

もし、契約期間を定めていない場合は「入居者の同意を得て解約してもらう」か「解約の申入れをするか」のいずれかの方法を取るしかありません。

問題なのは、入居者が解約を拒否した場合です。入居者が解約を拒否しているときは、借主の正当事由を持って入居者に理解してもらうしかありません。

例外として使える任意売却のメリット・デメリット

任意売却を行うメリットとデメリットも覚えておいて損はありません。もし任意売却の方法を用いることがあった時のために、以下の内容だけでも覚えておきましょう。

【メリット】競売よりも高額で売却できる可能性がある

一般的に、抵当権を設定してローンで不動産を購入した場合、住宅ローンの返済を長期間怠たると家が競売にかけられてしまいその売却代金を借主の返済金に充てられてしまいます。
多くの場合、競売にかけられた不動産の売却価格は相場の7割程度と考えられており、競売にかけられたとしてもその返済額のすべてに至ることはほぼないでしょう。

一方、任意売却という方法を用いれば、通常の不動産売却と同じような方法で売却活動ができるというメリットがあります。また相場の7割ではなく相場により近い価格で売却できることが多いといわれています。
ローンの一括完済を目指すのであれば、早めに任意売却の手続きを行うと良いでしょう。

参考:任意売却でローンが残る不動産を売却するメリット・デメリット

【デメリット】1. 延滞・滞納が信用情報機関に記録される

原則として、本来返済が完了していないといけない日から「61日以上または3カ月以上」の延滞、滞納をしてしまうと、信用情報機関に記録されてしまい、5~10年間ほどはローンを組んだり、クレジットカードの新規発行ができなくなるなどのデメリットが発生します。俗にいうブラックリストに登録されてしまうということです。

【デメリット】2. 債権者の同意、連帯保証人の協力が必要

上述したように、任意売却は競売に比べて高く売却できるというメリットがあるため、お金を貸している債権者にとっても決して悪いことではありません。

ただし多くの場合は、任意売却をおこなうために債権者との交渉の場を設け、同意をしてもらう必要があります。債権者にとっては、不動産の売却額によっては貸したお金が充分に戻ってくるとは限らないため、思い切った決断になるのです。
もし債権者から任意売却の同意を得たいのであれば、売却額によってどれくらい返済できるか見通しを立てたうえで交渉するとよいでしょう。

【デメリット】3. 連帯保証人の協力が必要

もしシェアハウスを購入するときに自分以外の誰かを連帯保証人として設定していた場合、任意売却を行うときも協力してもらう必要があります。

今回のケースも原則として連帯保証人の返済義務が免除されることはありません。そのため、任意売却を行うのであればいつでも協力を得られるように、早めに連絡を取って事情を詳しく説明しておく必要があるでしょう。

このように、任意売却はいくつか制約等があるものの、実行できれば競売にかけられるよりも多くの売却額を出すことができる方法です。
実際にどの方法で売却するかはシェアハウス経営の現状とその後の展望にもよりますが、どの方法になってもスムーズに売却できるようにメリットとデメリットをしっかり把握しておいた方が良いでしょう。

シェアハウスを売却するときの手順

会社を選ぶ

シェアハウスを売却するにあたり、どのような手順を踏めばよいのかわからない人も少なくありません。また各手順で売却を成功させるポイントとなる部分も把握しておかないと中途半端な売却になってしまう可能性があるので、以下の手順とポイントをしっかり把握しておきましょう。

手順1. シェアハウス・収益物件の売却に強い不動産会社を選ぶ

シェアハウスを売却するときにまず行うべきなのは、不動産会社選びです。

不動産会社というのは、それぞ会社ごとに強みが異なることが多いです。したがっていくつか候補を見つけたあとは、その候補の中から以下のようなポイントを押さえていそうな不動産会社を決めていきましょう。

  • シェアハウス売却に強いスタッフがいる
  • 希望や不安を熱心に聞いてくれる
  • 知識や実績が豊富(特にシェアハウス・投資物件の売却)
  • 自社のPRがしっかりとできる

手順2. 売却活動を不動産会社に依頼する

売却活動は、媒介契約を締結した不動産会社にお任せした方が、自分で買い手を見つけるよりスムーズに事が運ぶはずです。
価格に関しても、売り手側が希望する売却価格と現状の市場価格を比較して、最終的な売り出し価格を調整してくれるので安心です。

購入希望者が現れたときは、買い手との売却価格の交渉や登記費用の負担についての話し合い、入居者の引き継ぎといった諸々の条件のすり合わせや手続きが行われるようになります。購入希望者が現れるまではほぼなにもすることはないといっても過言ではないでしょう。

手順3. 購入者への引き渡しと、各種手数料の支払い

買主と話し合いやすり合わせがひと段落付き、互いの条件が一致したら、売買契約のステップへと進みます。大まかな手順としては、以下のような順番になります。

  1. 宅地建物取引士による重要事項説明
  2. 契約書にサインし売買契約が成立
  3. 決済日を取り決め、決済や移転登記を行う
  4. 仲介手数料を不動産会社に支払う

売却直前も色々と関わることが多くなるので、しっかりと手順を覚えておきましょう。

参考:収益物件の売却にかかる譲渡所得の計算方法と確定申告について解説

シェアハウスの売却はまずは不動産会社に相談:まとめ

先述したように、シェアハウスを売却する方法はいくつか存在します。したがってシェアハウスの経営状況によってどのような売り方が一番良いのかを考えておく必要があるのです。

まずは不動産会社に相談した上で、経営状況と入居者との契約した内容の確認などを行い、どれが最適かを考えましょう。

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