不動産売却の領収証に収入印紙は必要?宅建士が4つのポイントで解説

領収書収入印紙

不動産を売却する時にはさまざまな契約書があり、それぞれに印紙が必要です。

所有する不動産を売却すると、売主側が買主に領収書を発行しますが、領収書は収入印紙が必要な場合と不要な場合があります。

今回は不動産売買における印紙税について詳しく説明していきます。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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不動産売却で必要な印紙税とは?

印紙税は、契約書や領収書、保険証券など課税文書に課せられる税金です。

課税文書は1号~20号まで種類ごとにわけられており、その中でも契約書は種類により、印紙税の金額も変わります。

不動産売買に関わる契約書・領収書の印紙税の金額は以下の通りです。

印紙税一覧

なお、記載金額に消費税が含まれていることが明記されている場合は、その消費税額を差し引いた金額分の印紙税で計算できます。(印紙税法で、消費税は領収書に含めなくても良いこととなっています)

売主側の場合は税抜価格で領収書の記載をする方が節税になる場合もあるので、良く確認してみてください。

<例>1億円の不動産を売却すると、消費税は1,000万円

税込価格 1億1,000万円の印紙税は40,000円

税抜価格 1億円の印紙税は20,000円

20,000円の節税ができます。

不動産売却の領収書に収入印紙が必要なのはどんな場合?

不動産を売却したときの領収書に収入印紙が必要な場合と不要な場合があると先述しましたが、それは「営利目的の売却であるか否か」です。

個人が不動産を非営利で売却する場合は、領収書に収入印紙は不要です。

例えば、今住んでいる家を売却し住み替えるというようなときは、不動産売却は営利目的ではないので非課税です。

農地の売却は、栽培した作物を自分で消費していた場合は非営利となり非課税ですが、そこで収穫した作物を販売していた場合は営利目的とみなされ、課税対象となります。

個人で所有している賃貸用のマンションやアパート、駐車場なども営利目的となり、収入印紙は必要です。

そして、注意しなければいけないのが、一時的にでも賃貸にした自宅などを売却する場合は、その後空き家になった状態で売却するとしても、領収書には収入印紙が必要になるということです。

確定申告後の税務署の調査等で指摘されてしまう可能性があります。忘れずに収入印紙を添付するようにしましょう。

また、法人の不動産売却は、すべての売却物件が営利目的となり、売却すれば領収書に必ず収入印紙が必要となります。

下図に課非区分をまとめたので参考にしてみてください。

領収書の課非区分

不動産売買を電子契約で行った場合

電子契約とは、紙の用紙を使わず、オンライン上で契約を締結し、必要な書類は全て電子ファイルで作成し、署名捺印は電子署名で行う契約方法です。

電子契約は、契約者が遠方に住んでいる、多忙でなかなか時間がとれないという理由で、やりとりに時間がかかってしまうケースにはとても便利です。

この電子契約は、印紙税法で課税文書に該当しないので、印紙税がかかりません。

電子契約は、売主・買主・不動産仲介会社、いずれの人もネットワーク環境等が整っていないと難しいですが、昨今のインターネットの普及を考えると、印紙税がかからないこと、書面でのやりとりがなく、郵送などの時間や手間が省けることなどメリットも大きく、今後さらに普及していくものと思われます。

注意点は、電子契約書を印刷して相手に渡してしまった場合です。この場合は、課税文書とみなされ、印紙税の対象となるので気を付けてください。

不動産売買契約上の印紙に関する不備について

不動産売買の契約において、契約書や領収書に収入印紙が必要であることを説明しました。

実際不動産を売却し、不動産売買契約書を確認してみたら、「収入印紙を貼っていない」「金額が間違っている」「消印が押されていない」ということがあるかもしれません。

その場合はどうなるのでしょうか。

収入印紙が貼られていない場合

もし、収入印紙自体が貼られていなくても、不動産売買契約は無効になることはありません。ご安心ください。

しかし、収入印紙が貼られていなかった場合は、もともとの印紙税の3倍の過怠税を支払わなければなりません。もともと1万円の収入印紙を貼らなければならなかった場合は、3万円の過怠税となります。

貼り忘れに気づきすぐに申告した場合は、もともとの印紙税の1.1倍で済むこともあるので、気づいた時点ですぐ税務署に申告するようにしましょう。

間違った金額の収入印紙を添付した場合

収入印紙の貼り忘れの場合と同じく、収入印紙の金額を間違えても不動産売買契約は無効になることはありませんのでご安心ください。

収入印紙の金額間違いには多い金額を添付してしまった場合と金額が不足している場合の2パターンがありえます。

多い金額を添付してしまった場合は、税務署に申告すれば還付されます。最寄りの税務署で、「印紙税過誤納確認申請書」を記入し提出します。

ただし、還付を受けられるのは不動産売買契約書が作成されてから5年以内です。気づいた時点で早めに申告しましょう。

次に収入印紙の金額が不足していた場合ですが、この場合は先述した収入印紙が貼られていない場合と同じく過怠税が発生します。

本来5,000円分の収入印紙を貼るところを1,000円分の収入印紙しか貼っていなかった場合は、不足分の4,000円の3倍の12,000円の過怠税が発生します。

間違った金額の収入印紙を購入してしまった場合

収入印紙は未使用であれば、郵便局で交換が可能です。手数料が交換1枚あたり5円かかります。なお、現金の払い戻しはできません。

収入印紙に消印を押すのを忘れた場合

収入印紙に消印を押す理由は、再利用されないようにするためです。そのため、消印を忘れた場合も過怠税が発生します。

過怠税はもともとの印紙税と同額が課されます。消印の押し忘れに気づいた時点で、なるべく早く税務署に申告し、指示を仰ぎましょう。

不動産売却の際は印紙の確認をしっかりしよう:まとめ

不動産売却にまつわる印紙税について説明させていただきました。

不動産を売却したときの領収書の収入印紙については、必要な場合と不要な場合があり、それは売却物件が営利か非営利かで決まることをお伝えしました。

自分が住んでいた住宅など個人の不動産であれば非営利ですが、収益のある駐車場やアパート・マンション、販売用の作物を栽培している農地などは、個人所有でも営利目的の不動産とみなされ、印紙税の課税対象となります。

法人が不動産売却をする場合は、どのような物件でも営利目的の売却になり、領収書には収入印紙の貼付が必要となります。不動産売却の際はぜひ覚えておいてください。

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