「不動産売却時のホームステージングって何?」
「ホームステージングをするとどんなメリットがあるの?」
こんな疑問にお答えします。
不動産売却におけるホームステージングとは、物件のインテリアなどでより買い主に興味を持ってもらえる空間に仕上げる演出のことです。
日本の不動産売却市場ではあまりメジャーな手法ではありませんが、海外とくにアメリカでは不動産をよりよい条件で売却するためのテクニックとして活用されています。
ただし、ホームステージングを成功させるためには、買い主の興味を引く工夫が必要です。
ただ単におしゃれな家具や家電をそろえるだけだと、好条件の不動産売却にはつながらないので、ホームステージングのポイントを押さえておきましょう。
今回は、不動産売却においてホームステージングを利用するメリットや、ホームステージングを成功させるためのコツなどを紹介していきます。
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目次
ホームステージングとは売却物件の内装をおしゃれに飾り付けること
ホームステージングとは、売却物件の内装に手を加えてモデルハウスのようなおしゃれな空間に仕上げる演出方法のことです。
既存の家具や家電を流用する場合もあれば、家具や家電をレンタルして配置する場合もあります。
なぜホームステージングというサービスがあるのかというと、単純に内覧などで買い主の印象がよくなるからです。
本来、中古不動産の査定額や売却価格は、「築年数」「立地」「広さ」などで決まります。内装がきれいでも汚くても、さほど売却価格に影響はありません。
しかし、資産価値に影響がなくても、最終的に不動産を買うかどうかを決めるのは人間です。
荷物が散らかっている家より、整理整頓されていておしゃれな家のほうが人気を集めやすいため、家をより好条件で売るためのテクニックとして、ホームステージングが活用されています。
ホームステージングのメリットは内覧の印象がよくなること
ホームステージングのメリットは、以下の3点です。
- 買い主に内覧で気に入ってもらえる
- 問い合わせが増える
- ほかの物件との差別化ができる
買い主に内覧で気に入ってもらえる
ホームステージングをすると、内覧時の印象がよくなります。
不動産売却では、
- ネットや店頭の広告で気になる物件を見つける
- 内覧をする
- 周囲の物件と比較する
という段階を踏んで、購入するかどうかを考えます。
居住用の物件では、内覧なしでいきなり購入を決断する人は少ないため、内覧時の印象が悪いと、問い合わせ数が多くてもなかなか契約まで至りません。
何らかの商品を売る場合、「この商品を買うと自分や自分の生活がどう変わるのか」をイメージさせる必要があります。
しかし、まだ自分が住んでいる部屋を見せても、空き部屋を見せても、多くの場合買い主の購買意欲を刺激することはできません。
使用感のある家具や荷物が置いてある空間は、「他人のもの」というイメージが強く、何もない殺風景な部屋だとそこで暮らす自分の姿を想像しづらいからです。
そこで役に立つのが、ホームステージング。
生活感が薄いものの、適度に調度品や家具・家電が置いてあっておしゃれな空間を内覧で見せれば、「この家で暮らす自分」の姿を簡単にイメージさせることができます。
不動産に定価はありません。間取りや広さが周辺の物件と同じくらいでも、「こういう家で暮らしたい」と思わせることができれば、高額売却も可能です。
問い合わせが増える
ホームステージングで作ったおしゃれな空間を写真で撮れば、クオリティーの高い物件写真をネット広告に掲載することができます。
一瞬で大量の物件情報を検索し、比較できるネット上では、目立たない物件はよいものであっても詳細を見てもらえません。
ぱっと見の印象の強さでいえば、文章で長々と説明するより、写真で実際の姿を見せたほうが分かりやすいため、不動産売却では「高品質な写真を掲載する」ことが大きな強みになるのです。
おしゃれな写真を物件広告に掲載すれば、ほかの不動産より詳細を見てもらえる可能性が高くなります。中身を見てもらえる機会が増えると、当然問い合わせも増えやすくなるため、「質の高い写真を用意する」という意味でもホームステージングは効果的です。
ほかの物件との差別化ができる
不動産市場では、地域によってある程度物件の相場が決まってきます。
同じエリア内で間取りや築年数が近ければ、売却価格に大きな差は出ないので、物件数の多いエリアだとライバル物件との差別化が重要です。
その点、日本では不動産売却時にホームステージングをする人がそもそも少ないため、「ホームステージングをしている」こと自体がアピールポイントになります。
ホームステージングを成功させるコツは生活感をなくすこと
ホームステージングを成功させるためのコツは、極力生活感をなくすことです。
室内に洗濯物が干してあったり、荷物で床が見えなくなっていたりする家は、買い主の「欲しい」という気持ちを刺激することができません。
ただ単に家を掃除するだけではホームステージングをしているとはいえないので、ホームステージングのポイントを押さえておきましょう。
荷物や家具を減らして生活感のない空間を目指す
ホームステージングの第一歩は、余計な荷物を減らすことです。室内にある家具や荷物の量が多ければ多いほど、雑然としていて整理されていない印象が強くなります。
自分たちが使っている家具を流用する場合でも、普段使わない荷物はできるだけ部屋の外に出し、レンタル倉庫などに預けましょう。
予算に余裕があったり、使っていない物件を売ったりするときは、ホームステージング業者から家具や家電をレンタルするのもおすすめです。
売り込みたい相手の年齢や好みに合わせて演出を考える
ホームステージングは、あくまでも「買い主の好み」に合った空間演出をする必要があります。自分なりのセンスや価値観で部屋を片付けても、買い主の好みに合わなければ意味はありません。
そこで重要なのが、「不動産を誰に売り込むべきか」というターゲットの絞り込みです。想定するターゲットの年齢によって、好みに合う内装の色使いや雰囲気は変わってきます。
とはいえ、プロではない方が家族構成・年齢・年収・物件の間取りなどに合わせて適切なコーディネートを考えるのは困難なので、プロの力を借りて空間演出の方向性を決めましょう。
観葉植物や絵画等を使って視線を誘導する
ホームステージングをする際に意識したいのが、「見てほしい場所に視線を誘導する」というテクニックです。
中古不動産はそれなりに経年劣化しているため、隅から隅までチェックされると見劣りする場所も出てきます。
しかし、「視線が向く場所」を家具や小物の配置で誘導してしまえば、目立たせたくない場所の印象を薄れさせることが可能です。
中古の不動産は、多くの場合減点方式で買い主の評価が下がっていくので、マイナスポイントが目立たないコーディネートを考えましょう。
壁や床に空白を作って絵画を飾ったり、扉の正面に観葉植物を置いたりして、買い主の視線を誘導することをおすすめします。
ホームステージング業者を利用する
ホームステージングを成功させるうえで重要なのが、プロの手を借りることです。
ホームステージングで物件の印象を底上げするためには、インテリアの知識や経験が必要になってきます。また、個人で家具や小物をレンタルすると、管理も大変ですし費用も高くなりがちです。
その点、ホームステージング業者に依頼すれば、コーディネートだけでなくレンタル家具の設置や回収まで任せられます。
ホームステージングに合わせて家中を掃除する
ホームステージングでおしゃれな家具や小物を設置しても、部屋が汚れているときれいな印象にはなりません。
中古住宅の内覧では、主に水回りが厳しくチェックされるので、ホームステージングに合わせて徹底的に掃除しましょう。
もし、自分で掃除をしても汚れを落としきれない場合は、ハウスクリーニングを頼むのもおすすめです。キッチンや換気扇、エアコンなどの汚れを落としてもらうだけでも、部屋の印象は見違えるようによくなります。
参考:不動産売却前にハウスクリーニングをすべき3つの理由と掃除のポイント
ホームステージングを利用する際の注意点は費用がかかること
ホームステージング利用時の注意点は、費用がかかることです。
部屋のコーディネートだけでも5万円程度かかる
現在人が住んでいる不動産の売却を考えていて、既存の家具や小物を流用する場合、家具配置などのコーディネートを受けるだけでも5万円程度の費用がかかります。
とはいえ、「買い主の好みに合わせたコーディネート」は誰でもできる仕事ではありません。ホームステージングによって売却期間を短縮したり、高額売却したりできれば、十分に元が取れるでしょう。
家具のレンタル込みだと費用は15万円以上することも
家具のレンタル込みでホームステージングを依頼する場合は、一気に予算が高くなります。
利用する業者や、家の広さにもよりますが、一戸建て全体のコーディネートなら、数十万円かかることも少なくありません。
ただし、高額なプランは「数ヵ月単位のレンタル」が前提になっていることも多いため、長期的に見れば個人でレンタル家具を利用するより費用を安く抑えられます。
また、「リビングのみ」「玄関・通路・リビング」など、コーディネートしてもらう空間を限定すれば、費用の節約も可能です。
レンタルしたい家具の量やグレードによっても費用は変わってくるので、予算に合わせて無理なく利用できるプランを検討しましょう。
ホームステージングで不動産売却を成功させよう:まとめ
ホームステージングは中古物件の印象を底上げして、不動産を早く・高く売るための演出です。
ただし、買い主の好みに合わなければ、きれいな部屋を用意しても売却にはつながりません。
地域の客層や物件の種類に合わせてコーディネートを考える必要があるので、まずは地域の取引事情に詳しい不動産会社を探して、不動産会社から実力のあるホームステージング業者を紹介してもらいましょう。
不動産会社選びで、家は数百万円「売値」が変わります。
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。
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