「土地を売却したけど、少しでも手元に資金を残したい」
「圧縮記帳の制度を有効活用したい」
そんなあなたにおすすめなのが、土地売却の際に使える「圧縮記帳」という制度です。
不動産売却でのキャッシュフローが苦しい現状を打破するためには、この制度を利用することで一時的ではありますが改善できるかもしれません。
今回は、不動産売却で使える圧縮記帳について詳しく解説します。
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土地売却で使える「圧縮記帳」とは
土地を売却した際に売却益が発生すると、金額によっては多額の納税が必要となります。その時に納税を遅らせる方法として使われるのが「圧縮記帳」です。
圧縮記帳とは
圧縮記帳とは、土地などの固定資産を売却した場合、本来は課税所得となる利益を先に繰り延べる方法です。
これにより、課税を延期させることができます。
土地を売却し、購入したときよりも高い金額で売れると売却益が出ます。この売却益には、後で所得税や住民税が課されます。
税金は支払う義務のあるものですが、その税金を支払うと手元のキャッシュが減ってしまいます。資金繰りの面で、後回しにしたい時もあるでしょう。
そういった時に圧縮記帳を利用すると、税金の納付を後回しにすることができるのです。
その他圧縮記帳が使えるケース
法人の場合は、主に以下の3つのケースで固定資産を購入した際に圧縮記帳が利用できます。
- 国庫補助金
- 工事負担金
- 火災等による保険金(保険差益)
順に解説します。
国庫補助金
補助金は、事業計画を申請し受け取るものなので、助成金や給付金とは異なります。補助金の全額が対象になるわけではないので、必ず確認しましょう。
主な補助金は以下のものです。
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金(革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金)
- 既存建築物省エネ化推進事業
工事負担金
工事負担金とは、電気・ガス・水道・電話・鉄道等の公益事業会社が、サービスに要する施設や設備を建設する際に、利用者から提供された資金のことです。
保険差益
保険差益とは、地震や火災などの際に支払われる損害保険の保険金額が実際の損害額より多く、上回った差額のことを言います。
固定資産に対して支払われた保険金のみ圧縮記帳が利用できます。
圧縮記帳のメリット・デメリット
圧縮記帳を利用する場合、やはりメリット・デメリットはあります。それぞれ説明していきましょう。
圧縮記帳のメリット
圧縮記帳のメリットは、納税を後回しにできることです。納税を遅らせると、売却益を手元に残すことができます。
今の不景気で資金繰りに苦慮していたり、キャッシュフローを安定させたりする場合に非常に有効です。
圧縮記帳のデメリット
圧縮記帳は、納税を先に繰り延べる制度であり、あくまでその年に納付しなくて良いということであり、免除されるわけではありません。
翌年以降の税金は増え、数年にかけて納税をすることになります。売却益が出た年に納税しても余裕があるならば、圧縮記帳を無理に利用する必要はありません。
どのタイミングで納税するのが良いのか、見極めが重要です。
参考:【法人名義の不動産売却】成功のカギを3つのポイントで解説
圧縮記帳の例
1,000万円の土地を2,000万円で売却できた場合、1,000万円の売却益が出ます。
個人の場合、5年以上所有していた土地だと課税金額は約2割、つまり約200万円の譲渡所得税を支払わないといけません。
そこで、また新たに2,000万円の土地を購入すると、売却益を圧縮損として計上することができます。売却益を新たな土地の購入費にしたという処理ができるということです。
この圧縮記帳で税務仕訳をすると、譲渡所得税を翌年以降に繰り延べることができます。
土地の売却は不動産会社に相談:まとめ
不動産売却は金額が大きいので、税金も多額になります。 資金繰りをより計画的に進めたいのであれば、圧縮記帳はとても有効な方法だと言えます。
しかし、圧縮記帳は複雑で、専門的な知識を要します。土地売却を検討しているならまずは不動産会社に相談しましょう。
そして、複雑な税務上の問題は、不動産会社から税理士を紹介してもらって解決しましょう。
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