【不動産売却時のトラブル】よくある3つの事例を参考に回避しよう!

不動産売却のトラブル

「不動産売却でよくあるトラブルをしりたい」
「不動産売却時のトラブル回避方法をしりたい」

 

こんな要望にお応えします。

結論、不動産売却のトラブル防止策は信頼できる不動産業者を選ぶことです。

国土交通省が発表したデータによると「不動産取引における苦情紛争相談件数」は減少傾向となっていますが、70%は売買(売買の媒介・代理)に関するものです。

不動産売買は大きな金額が動く取引となるため、売買をおこなう当事者、仲介会社もより慎重な姿勢で進めるものですが、それでも全国で多くの紛争が起こっています。

今回は3つの事例を参考に、不動産売却におけるトラブルを回避するためのポイントを解説します。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
現役の不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)

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不動産売却におけるトラブル

不動産売却において特に多いトラブルは次の3つです。

  1. 重要事項の説明に関するもの
  2. 契約の解除(ローン不成立による解除を含む)に関するもの
  3. 瑕疵担保責任問題(契約不適合責任)

このうち、「契約の解除」と「瑕疵問題」が特によく直面するトラブルです。
以下より詳しく解説していきます。

契約の解除(ローン不成立による解除)に関するトラブル

不動産仲介会社に、ローン特約を付けておくべき注意義務が問われた事例

不動産仲介会社は、買主がローンを組むことができなくなった際に、その売買契約が白紙になると認識していた時は、売買契約にローン特約を付けておくべきです。

ローン特約とは

不動産売買取引において、金融機関の住宅ローンを利用する際に、ローン審査について承認を得られない場合や、申込金額の全部又は一部について承認が得られない場合があります。

その場合に、取引を白紙に戻すことができる特約のこと。白紙解約なので、売主は受け取った手付金を返さなければなりません。

経緯

買主が不動産仲介会社の媒介で売主から戸建住宅を購入する契約をして、手付金として200万円を支払いました。
その売買契約にはローン特約を付けていませんでした。

買主は住宅の購入代金は銀行の住宅ローンを使う予定としていたのですが、ローンの審査が通らず、別の銀行にローンの申込みをするも審査が通りませんでした。

そのことにより、購入代金の支払いができないことになり、手付金を売主に没収され、買主は売主に対して「ローン特約の合意があった」として手付金の返還を求めて訴訟を起こしました。

しかし裁判所は、買主の「ローン特約の合意があった」の主張を裏付ける証拠がないとして、買主の請求を棄却しました。

買主は次に、仲介会社に対して「ローン特約を付けなかったことについての注意義務違反がある」として、損害賠償請求を行い、訴訟を起こしました。

その訴訟の最終的な判決は、買主の勝訴となり、仲介会社は買主に損害賠償を支払うよう、命令が出されました。

判決の要旨

判決の要旨は、以下の内容でした。

  • 買主は仲介会社に住宅購入のための資金計画の詳細を説明しており、住宅ローンが組めなければ購入できないと説明していた。
  • 仲介会社はそのことを認識していたが、ローン特約を付ける手続きをしなかった
  • 仲介会社は買主のために、ローン特約を付けるべき注意義務がある
  • 注意義務を怠った仲介会社は買主に損害賠償を支払わなければならない

おそらくこの不動産仲介会社は買主の個人属性からローンは通るものだと判断したのでしょう。
高年収の方でも、過去のクレジット事故等で住宅ローン審査が通らない場合もあるため、注意が必要です。

参考:事例を知って事前に回避!不動産売却時のトラブル【ローン特約編】

瑕疵問題に関するトラブル

「瑕疵」とは

不動産取引において用いられる「瑕疵(かし)」とは、欠陥や不具合、もしくは本来の機能どおりに動かない、などのことをいいます

以下がよくある事例です。

  • 雨漏りが起こっている
  • 建物の重要な構造部分(柱、梁等)がシロアリに侵食されている
  • 建物に腐食している部分がある
  • 建物が傾いている
  • 建物の地下に浄化槽がある
  • 土地に井戸、池、祠(ほこら)などがある、もしくは過去にあった
  • 土地に産業廃棄物や建築工事のガラなどが埋められている可能性がある

雨漏りなど目に見える瑕疵もあれば、シロアリ被害など、床下であるため普段はわからない瑕疵もあります。
見えない部分にある瑕疵を「隠れた瑕疵」と呼びます。

「瑕疵担保責任」(契約不適合責任)とは

不動産売買において、土地建物に隠れた瑕疵があった場合、売主は買主に損害賠償などの責任を負う義務があります。このことを「瑕疵担保責任」と呼びます。

2020年4月の民法改正で、従来の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」という名前に変わりました。

シロアリ被害のある建物について売主の瑕疵担保責任が問われた事例

不動産売却において、特に住宅など建物を売却する場合、売主には建物の状態を把握しておく義務があります。
現況有姿売買(補修などを行わず現状のままで売却する)の取引であっても、隠れた瑕疵(修理等が必要とされる部分)が見つかった場合、売主の責任となります。

そのため、売主はもちろん、仲介会社にも売主に対して専門会社による建物診断を勧めるなど、トラブルを回避する義務があるとされています。

経緯

買主が不動産仲介会社の媒介で売主から戸建住宅を購入する契約をして、土地建物の引き渡しを受けました。

その際、住宅はリフォーム済みではあったものの、築年数が古いことにより、現況有姿売買(現状渡し)での取引とすることが合意されました。

引き渡しから1年後、買主は1階和室の巾木にある虫食いに気づき、その部屋の床下を確認すると、土台にシロアリが群がっているのを見つけました。

買主はシロアリ駆除の専門会社に依頼して駆除を行い、売主に対して瑕疵担保責任による損害賠償請求を、仲介会社に対してはシロアリによる被害を知りながら告知していなかった不法行為に対しての損害賠償請求を行い、訴訟を起こしました。

この請求に対して売主と仲介会社は、「買主はシロアリの被害を発見した後、1年以内に損害賠償請求をしておらず、除斥(じょせき)期間が経過している」と反論しました。

除斥(じょせき)期間とは

瑕疵の存在を知ってから、瑕疵担保責任の追及を行うことができるとされている期間のこと

つまり、売主と仲介会社は「シロアリの被害を知ってから1年以内に損害賠償請求をしていないので、我々が責任を負う必要はない」と主張したわけです。

また、売主は不動産売却を行う前に、その住宅にシロアリの被害が発生していることを知りませんでした。
そのことは、売主がその住宅を購入した際の契約書や現況調査書にシロアリ被害について書かれていなかったことによっても証明されました。

訴訟の判決

売主には瑕疵担保責任が認められ、仲介会社の不法行為は否定されました。
裁判所は、仲介会社に対しては、「住宅がシロアリに侵食されていることを知らなかった」との主張を認めました。

「シロアリ被害を知っていながら、それを告知せずに契約を行ったわけではない」と判断したことになります。

しかし、売主に対しては、瑕疵担保責任があるものとして、請求金額全額ではなく、補修費用と引っ越し費用及び家賃の支払いを買主に行うよう命じました。
売主は、不動産売却を行う際、売却する物件について十分な確認をすることが必要になるということです。

戸建住宅の場合、外見上からはわからない破損や修理が必要となっている部分、法律用語では「隠れた瑕疵」と呼ばれる部分が生じていることがあります。床下のシロアリ被害などもそうです。

買主が購入した後にシロアリが発生し、被害が広がったのであれば、売主に責任が問われることはありません。
しかし、不動産売却を行った時点で既にシロアリが侵食しており、そのことに気づかず契約を進めたのであれば、それは売主に責任があるものとされます。

売却を始める時点で、専門会社等による建物診断を行ってもらい、見えないところに隠れた瑕疵がないかを確認するべきです。

瑕疵がある場合は、補修をしたうえで売却に出すか、もしくは、その瑕疵の内容をあらかじめ表示したうえで、補修はせず現状のままで売却するという契約にする方法のいずれかをとるべきです。
それを怠ってしまうと、このように購入された方から損害賠償請求をされるトラブルが起こることがあります。

参考:不動産売却における「現状渡し」とは?メリット・デメリットを解説

不動産売却のトラブルを防止するには信頼できる不動産会社に依頼すること:まとめ

不動産売却においては、個人間の取引となることはめったにないでしょう。ほとんどの場合は不動産仲介会社に買主を探してもらい、契約の手続を進めてもらうことになります。

中には買主と一度も顔を合わせることなく、すべて仲介会社に代行してもらうケースもあります。
しかし、先に述べたように、仲介会社の注意義務の怠りによって、売主にも損害賠償の責任が生じた例もあります。

そのことを考えると、不動産売却の依頼は、信頼のおける不動産仲介会社を選んで委託することが重要になるといえます。

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