リバースモーゲージがマンションに適用される条件について詳しく解説

家を担保にする

「マンションにリバースモーゲージが適用される条件を知りたい」
「リバースモーゲージとリースバックとの違いはなに?」

 

こんな要望にお応えします。

リバースモーゲージとは、持ち家を担保にすることで、融資上限まで毎月少しずつお金を借りられるサービスのことです。

契約者の死亡時に持ち家を売却し、その代金でこれまでに借りてきたお金を返済するという契約内容になっているため、老後資金が心もとない人でも月々一定の現金が手に入ります

ただし、リバースモーゲージは、原則として土地・建物の両方を担保にできる一戸建て向けのサービスです。金融機関によっては、マンションのリバースモーゲージに対応していない場合もありますし、マンションのリバースモーゲージを受け付けている金融機関も適用条件は厳しいです。

そこで今回はマンションでリバースモーゲージを利用するために、必要な各種条件とリバースモーゲージを利用するメリット・デメリットなどをご紹介します。

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)
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持ち家を担保にして老後資金を用意する!リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、不動産を担保にすることでお金を借りる、ローンの一種です。
通常の不動産担保ローンは、借入の時点で総額を借りて、その後毎月決まった金額を返済していくことになります。

しかし、リバースモーゲージの場合、担保物件の融資上限額まで、毎月少しずつ融資を受けていくことになります。
ざっくり説明すると、2,400万円の価値がある持ち家を抵当に入れると、20年間毎月10万円ずつ借りられるというローンとなっているのです。

なお、多くのリバースモーゲージは終身契約です。契約者が亡くなったときに、物件を売ってそのお金でローンを一括完済するため、基本的には生きている間に返済を迫られることはありません。

持ち家を手放すことなく老後資金を用意できることから、年金の掛け金が少ない自営業者や、通常の年金だけでは生活に不安のあるリタイア層から人気のあるサービスです。

リバースモーゲージを利用できるマンションは築浅で資産価値が高いもののみ

リバースモーゲージを使えば、持ち家という資産を取り上げられることなく、毎月現金を借りられます。
ただし、マンションに関しては、資産価値や不動産需要の高さによってリバースモーゲージを利用できるかどうかが左右されてしまうため、注意しておきましょう。

マンションは基本的にリバースモーゲージを利用しづらい

マンションではリバースモーゲージを利用できない場合が多いです。
リバースモーゲージは、建物よりも土地の価値を重視したローンとなっています。経年劣化で徐々に劣化していき、いずれ寿命を迎えて住めなくなってしまう建物と違って、土地は何十年たっても資産価値が落ちません。

一戸建てだと、仮に建物の資産価値がほぼゼロになっていても、土地に価値があれば売却利益で利子や元金を回収できる可能性が高いからこそ、「契約者が亡くなってから返済」というローンが成立しているのです。

しかし、マンションの場合はほかの住人と土地を折半して所有している形になっているため、マンションの価値が下がったとしても敷地の売却で元金を取り返せません。

経年劣化で価値の下がった建物を売り出しても、ローンのお金を回収できる見込みが少ないという事情から、マンションのリバースモーゲージに対応していない金融機関が多いのです。

リバースモーゲージの適用条件は築浅・駅近・都市部であること

リバースモーゲージを適用してもらえるマンションは、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 比較的新しい(古くても築20年程度)
  • 最寄り駅から徒歩10分以内にある
  • 人口が多く不動産需要の高いエリアの物件

築20年を越える古いマンションや、最寄り駅から遠い郊外のマンション、人口が少なく不動産需要の低い地方にある物件などは、契約者が亡くなったときに相場で売るのが難しいため金融機関に歓迎されません。

リバースモーゲージの5つのメリット

持ち家

リバースモーゲージは、大切な持ち家を手放すことなく老後資金を確保できる手段です。
借りたお金の用途も一切制限されませんし、返済も基本的に自分が亡くなった後に行われるため、不動産を持っていて現金が足りないという人におすすめです。

具体的なメリットを5つご紹介します。

  1. 長年暮らした自宅を手放さずに老後資金を借りられる
  2. 借りたお金を自由に使える
  3. 毎月借りるためお金を使い過ぎる心配が少ない
  4. 融資の利用条件がゆるくお金を借りやすい
  5. 遺族に借金を残さない

順に解説していきます。

1. 長年暮らした自宅を手放さずに老後資金を借りられる

不動産を現金にかえる場合、通常なら不動産売却で自宅を手放し、現金を入手することになります。
しかし、リバースモーゲージでは、家を担保にしてローンを借りられるため、亡くなるまで住み慣れた自宅に住み続けることが可能です。

高齢になると、新しく住み替えローンを組んだり、持ち家を売却して賃貸住宅に入居したりすることも難しくなってきます。

自宅を手放すことなく老後の生活費を捻出できるのは、リバースモーゲージの大きなメリットです。

2. 借りたお金を自由に使える

基本的に、ある程度大きなローンはお金の使いみちが制限されています。マイカーローンを組んで旅行にいったり、住宅ローンを組んで事業を始めたりするのは契約違反です。

リバースモーゲージの場合、資金の用途が自由なので、生活費や趣味の出費など、好きなことにお金を使えます。

3. 毎月借りるためお金を使い過ぎる心配が少ない

リバースモーゲージでは、一度にまとまった金額が手元に入ってくることがありません。

担保にした自宅の融資上限を迎えるまで、毎月少しずつお金を借りるというローンの性質上、大きな買い物や衝動買いで無駄遣いをするリスクも低いといってよいでしょう。

4. 融資の利用条件がゆるくお金を借りやすい

リバースモーゲージは、ローンの利用条件が比較的優しいです。

住宅ローンのように年収や年齢などが厳しくチェックされるローンに比べると、「不動産の売却代金でローンを回収できるか」が重視されるため、高齢な方や収入が限られた人でもお金を借りやすいという強みがあります。

5. 遺族に借金を残さない

リバースモーゲージは、担保物件を死後に売却し、その代金でローン残債を一括で完済するローンです。

金融機関にもよりますが、万が一担保割れして売却代金でローンを完済できなかったとしても、遺族へリバースモーゲージのローン返済が求められることはありません。

不動産を売って完済できる額がローンの上限額なので、多額の借金を抱えて遺族に迷惑をかけてしまうといったトラブルも避けられます。

リバースモーゲージの3つのデメリット

一方、リバースモーゲージには将来的な金利の上昇リスクや、相続財産を残せなくなるといったデメリットもあるため、注意が必要です。

  1. 将来的に金利が高くなると返済負担が大きくなる
  2. 持ち家を遺産として残せない
  3. マンションは戸建てよりも借りられる金額が少なくなる

順に解説していきます。

1. 将来的に金利が高くなると返済負担が大きくなる

リバースモーゲージの返済では、借りたお金に対する金利の返済も必要です。
ただ、住宅ローンなどと違って、リバースモーゲージの金利は景気の状況に応じて高くなったり安くなったりする変動金利が一般的です。

もし、急激に金利が上昇し「借入総額+金利」の金額が担保不動産の融資額を越えてしまった場合、その時点でローンの一括完済を求められることもあるため、注意しておきましょう。

リバースモーゲージを利用する場合は、できるだけ借入額に余裕を持たせておくことが大切です。

2. 持ち家を遺産として残せない

リバースモーゲージの利用者は、持ち家という資産を家族や親族に残すことができません。
また、利用条件で、お子さんとの同居をしている世帯はローンを申し込めないようになっています。

日本では、家計の構成上不動産がもっとも高額な資産だというご家庭が多いです。不動産の扱いについてあらかじめ家族と相談していないと、相続トラブルになってしまう可能性もあります。

リバースモーゲージを利用すると、介護や生活の援助を目的とした同居もできなくなり、持ち家を家族に残せなくなってしまうことを覚えておきましょう。

3. マンションは戸建てよりも借りられる金額が少なくなる

多くの場合、マンションのリバースモーゲージは、戸建てを担保にする場合よりも融資の上限額が少ないです。

一戸建てに比べて、マンションは土地の資産価値を査定に入れづらいため、そもそもマンションのリバースモーゲージに対応している金融機関の数も限られます。

資産価値が低いとNG!リバースモーゲージがマンションに適用しないケース

マンション

リバースモーゲージは、基本的に資産価値の低いマンションには適用できません。具体的に適用が難しいケースを3つご紹介しましょう。

  1. 築年数が古い
  2. 地価が安い
  3. 個性的な間取りやデザインで売りづらい

順に解説していきます。

1. 築年数が古い

マンションのリバースモーゲージでは、土地の資産価値が担保になりません。

建物に関しては、基本的に築年数が古くなればなるほど価値が下がっていき、新築時点より高くなるケースはほとんど存在しないため、マンションの残り寿命で資産価値が大きく変わってきます。

たとえば、リバースモーゲージを申し込んだ時点でマンションの築年数が10年だったら、10年後でも築20年なので、十分売却できるでしょう。

しかし、リバースモーゲージの申し込み時点で築30年を迎えている場合、10年後は築40年です。築40年の物件ともなると、売り出してもそう簡単には売れません。
古いマンションはローンの回収が難しいため、リバースモーゲージを利用できないケースが多いと考えておきましょう。

2. 地価が安い

土地の価格は、大半が需要の多さで決まります。地価の安いエリアは、人口が少なかったり、交通の便が悪かったりするため、中古マンションの売却相場も低いです。

将来的に元金を回収できなくなるリスクがあることから、地価の安いエリアのマンションは、なかなかリバースモーゲージを利用できません。

3. 個性的な間取りやデザインで売りづらい

個性的な間取りやデザインのマンションは、需要が限られるので市場で高く売るのが困難です。

内装などにこだわった結果、売りづらい物件になっていると、資産価値が高くてもリバースモーゲージを適用してもらえないでしょう。

リバースモーゲージとリースバックの違いは?

リバースモーゲージもリースバックも、自宅に住み続けられるという点では共通しています。

しかし、リバースモーゲージは銀行からの「融資」で、リースバックは不動産会社に売却し、不動産会社と賃貸借契約を結ぶという形態です。

要は、所有権の移転を伴うか伴わないかという大きな違いがあります。

以下の表で大まかな違いをまとめていますので参考にしてください。

リバースモーゲージリースバック
仕組み不動産を担保にして、お金を受け取る不動産を売却して、賃貸住宅として住む
そのまま居住できる?可能可能
借入の有無
所有権移転の有無移転しない移転する
担保設定するしない
売却価格相場より安くなる相場で売却できる

参考:最近よく聞く不動産のリースバックってなに?メリット・デメリットを解説

適用条件を見極めてリバースモーゲージで老後資金を確保しよう:まとめ

リバースモーゲージを利用すると、持ち家を担保にして年金感覚で毎月少しずつお金を借りられます。
ただし、リバースモーゲージは基本的に一戸建て向けのローンです。

取り扱っている金融機関の数が限られていたり、不動産の扱い方によっては相続トラブルにつながったりする場合もあるので、興味がある場合は各金融機関や不動産会社に相談し、適用条件を見極めてから利用するかどうかを決めましょう。

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