「古家付き土地の売却にはどんなメリットがあるの?」
「古家付き土地を売却する際の注意点は?」
こんな疑問にお答えします。
古家付き土地の売却は、建物の解体費用を自分で負担することなく不動産を処分できる方法です。
ただし、古家付き土地に残っているのは、経年劣化等で資産価値がほぼゼロになっている古い家が大半です。
築10年、20年といった一戸建ての売却と違って、建物部分に値段が付かないため、売却相手や売却方法をよく考えて売り出さないと売れ残ってしまいます。
そこで今回は、古家付きの土地を売却するメリットとデメリットを解説します。
\厳選2,300社と提携・国内最大級!/
目次
維持費がゼロになる!古家付きの土地を売却する7つのメリット
古家付きの土地を売却するメリットは、以下の通りです。
- 固定資産税や都市計画税といった維持費の負担がゼロになる
- 古家付き土地を売却できるまでの維持費が安い
- 空き家の定期的な管理が不要になる
- 現状渡しができる
- まとまった現金が入る
- 建物の解体費用を負担せずに売却できる
- 建物があるため建て替え後の様子をイメージしてもらいやすい
順に解説します。
固定資産税や都市計画税といった維持費の負担がゼロになる
通常、不動産の所有者は、毎年固定資産税と都市計画税という税金を納める必要があります。
固定資産税も都市計画税も、1月1日時点で所有している不動産の資産価値に応じて納税額が決まる税金です。不動産を持っている限り、上記の維持費は永遠に発生します。
たとえ古家から出ていって現在は別の場所に住んでいても、老朽化した古家で生活していても、固定資産税や都市計画税といった税金の支払いから逃れることはできません。
しかし、古家付き土地を売却してしまえば、毎年の維持費を負担する必要はなくなります。
参考:固定資産税の計算方法と不動産売却時の精算について【宅建士が解説】
古家付き土地を売却できるまでの維持費が安い
古家付き土地の維持にかかる固定資産税等の税金が発生する条件は「毎年1月1日時点で不動産を持っている」ことです。
不動産を売り出している最中でも、年をまたぐと売主の元へ固定資産税の通知がやってくるため、古家付き土地を売り出すタイミングや、売れるまでに時間のかかる物件を扱っている場合、売り出し期間中に維持費を支払う必要があります。
そして、古家付き土地と更地では、更地のほうが固定資産税は高くなります。なぜなら、たとえ古家であっても建物があれば、広さ200㎡の住宅用地の固定資産税を、更地の6分の1まで下げられる特例が利用できるからです。
200㎡といえばかなりの広さなので、たいていの不動産がこの特例を利用できるでしょう。
ボロボロでとても人が住めない状態でも、住まいがあれば特例を利用して固定資産税等を圧縮できるため、古家付き土地は売却期間中の維持費も安いです。
なお、不動産会社への依頼料である仲介手数料は、成功報酬となっています。買主を見つけて売買契約を締結し、実際に代金を支払ってもらったときにその場で不動産会社へ支払いをするため、売却期間中にお金を支払うことはありません。
古家付き土地なら、不動産売却の必要経費を最小限に抑えつつ不要な資産を処分できます。
参考:長年住んでいない家はそのまま売却するべき?それとも解体して更地にするべき?
空き家の定期的な管理が不要になる
古家付き土地は、多くの場合建物が古くて劣化しているため、品質や安全性を維持するための定期的な管理が必要です。
残念なことに、住まいは人が住まなくなると劣化が早まります。換気をしないと湿気がこもって床板や柱が腐食しますし、上下水道を使わないと水が腐ったり虫が湧いたりする場合もあるので、住まいの状態を維持したいなら定期的な掃除や換気が必要不可欠です。
ただし、たとえば親から相続した古い実家や、何年も前に離れた家まで足を運んで掃除や換気をするのは、けっして簡単なことではないでしょう。遠方に住んでいれば交通費も移動時間もかかりますし、プライベートの時間もなくなってしまいます。
面倒だからと古家の管理を放置した結果、雑草が生えたりゴミが投げ捨てられたり、ホームレスが住み着いたりすると、行政指導の対象にもなりかねません。空き家を管理できないと、最終的に行政から注意されてしまうので、古家付き土地として売れる内に売却してしまいましょう。
自分では使わない不動産でも、売ってしまえば次の持ち主が管理してくれます。地方都市などであれば、不要な不動産を処分することで移住が進み、人手不足が解消することもあるので、管理が面倒なら古家付き土地を手放しましょう。
参考:空き家管理が必要な4つの理由と5つの方法【空き家売却のメリットも説明】
現状渡しができる
一般的に、家を売るときは売却前に室内の掃除や不用品の処分を済ませておく必要があります。しかし、古家付き土地の場合、そもそも建物部分に資産価値がほとんどないこともあって、建て替えや解体を前提にしている購入者が大半です。
そのため、不用品が残っていたり掃除をしていなかったりしても、現状渡しとしてそのままの状態で売却することができます。
たとえば、遠方に住んでいる家族が亡くなり誰も住む予定がないので手放したいといったケースでは、古家付き土地として現状渡しをしたほうが手間をかけずに売却できるしょう。
売却前の掃除や片付けを省略できる点も、古家付き土地売却ならではのメリットです。
参考:不動産売却における「現状渡し」とは?メリット・デメリットを解説
まとまった現金が入る
古家付きの土地を売却すると、売却代金が入ってきます。不動産取引の決済手段は、現金または銀行振り込みを利用するのが一般的。
売却の準備や手続きに時間はかかりますが、まとまった現金を入手できるのは大きなメリットといってよいでしょう。
参考:不動産売却時の決済方法や所要時間・必要書類を宅建士が徹底解説!
建物の解体費用を負担せずに売却できる
古家を解体し更地として売る場合は、売主が解体費用を出す必要がありますが、古家付き土地をそのまま売れば、建物部分の解体費用を売主が支払う必要はありません。
建物の解体には、数十万円から100万円以上ものお金がかかります。解体にお金をかけても、その費用を売却代金に上乗せして取り戻せる保証はありません。手元に残る金額や手間を考えると、解体費用を負担しなくてよいのは大きなメリットです。
建物があるため建て替え後の様子をイメージしてもらいやすい
古家であっても建物があれば、買主は「購入後に建て替えた場合、どういう完成像になるのか」を具体的にイメージすることができます。
売却価格は更地にしたほうが上がりますが、更地の状態だと買主は何平方メートルの家を建てられるのか、部屋を何室取れるのかといったイメージが湧きません。
買主に購入後の新生活をイメージさせることは、不動産売却を成功させる非常に重要な要素のひとつです。
「手に入れた後どうなるのか、自分にどういったメリットがあるのか想像できない」ものに対して、人間はなかなかお金を出してくれません。
そのため、住宅建築時の参考事例としてあえて古家付きのまま売ったほうが、早く買主を見つけられる場合もあります。
単純に売りづらい!古家付きの土地を売却する2つのデメリット
古家付きの土地を売却する際のデメリットは、以下の2点です。
- 更地よりも需要が少なく売りづらい
- 解体費用がかかるため更地よりも売却額が安くなる
空き地よりも需要が少なく売りづらい
古家付きの土地は、多くの場合そのままの状態では住めないことが多いので、解体や建て替え工事をする必要があります。
「家を建てる」「駐車場にする」「賃貸物件を経営する」「店舗を建てて商売を始める」といった目的を達成するためには、解体という一手間が必要なので、古家付き土地は更地に比べて扱いが面倒です。
解体工事が不要な更地より、需要が少なく売りづらい点は知っておきましょう。
解体費用がかかるため更地よりも売却額が安くなる
古家付き土地は、以下2つの理由から更地よりも高く売れません。
1点目は、購入後に建物の解体という手間が必要になること、もう1点は解体費用がかかることです。
購入後に余計なお金かかるにも関わらず、古家付き土地を通常の更地と同程度の価格で買ってくれる人はまずいません。
むしろ「お金がかかる物件ならそのぶん安くしてほしい」と持ちかけられるケースのほうが多くなります。少しでも売却の可能性を高めるために、古家付き土地は、近隣地域の家や土地よりも安い金額で売り出しましょう。
参考:古家付き土地を更地にして売却することのメリット・デメリットとは?
古家付きの土地を売却するときの注意点
古家付きの土地を売却するときは、特に以下の2つの注意が必要です。
- 古家付き土地の売却は境界線を確定させる
- 古家の売却は瑕疵担保責任に注意する
古家付き土地の売却では境界線を確定させておいたほうがよい
ある程度古い土地だと、隣地との境界が明確になっていないケースが少なくありません。
場合によっては、境界が確定しているにも関わらず、売主側が隣地の一部を勝手に利用していたり、逆に売主側の土地を勝手に利用されていたりする場合もあります。
この状態で大きな問題が起きないのは、あくまでもお互いが長年付き合いを持っており、ことを荒立てるつもりがないからです。
土地や建物の所有者が変わると、当然売地と隣地の関係性もリセットされるため、不動産売却を機にトラブルになってしまうケースも少なくありません。
古家付きの土地売却に限ったことではありませんが、不動産売却トラブルのリスクを下げるためには、土地家屋調査士に依頼して、あらかじめ土地の境界を確定させておく必要があります。
「契約不適合責任を免責する特約」が無効になってしまう場合がある
不動産取引では、「売買契約書に記載されていない不具合・問題点」が後日見つかった場合、買主から売主へ損害賠償請求等をすることが可能です。
ただ、契約書に「契約不適合責任を免責する特約」を設定していれば、売主としての責任を回避することができます。
とはいえ、契約不適合の免責特約は、いつ何時でも使えるものではありません。
以下3つのようなケースでは、特約が無効になるので注意しておきましょう。
- 契約書に記した状態の不動産を渡せない(シロアリ被害がひどく近日中に家として使えなくなるなど)と知りながら伝えていなかった場合
- 不動産会社が所有している不動産を一般消費者に売る場合
- 不動産会社と一般消費者間の取引において特約の内容が買主側に不利な場合
ルールを守って古家付きの土地売却を成功させよう:まとめ
古家付きの土地を売却すると、手間のかかる古家の管理や維持費の支払いから解放され、多少の現金も手に入れることができます。
ただし、一般的な不動産に比べて、古家付き土地は解体の手間と費用がかかるので、あまり人気がありません。
それどころか、交渉の進め方や契約書の内容によっては、売却後トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
古家付き土地を売るときは、不動産の売却ルールを守ってお互いが損をしないように注意しましょう。
不動産会社選びで、家は数百万円「売値」が変わります。
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。
信頼できる不動産会社選びです!
このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)